2005 Fiscal Year Annual Research Report
符号木の特性解析とそのデータ圧縮および暗号システムへの応用
Project/Area Number |
17360174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30136212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 朋宏 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (00323527)
古賀 弘樹 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (20272388)
有村 光晴 湘南工科大学, 工学部, 講師 (80313427)
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Keywords | データ圧縮 / 木符号 / Move-To-Front法 / 反辞書法 / 同期系列 / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
データ圧縮および情報セキュリティに関連する最新の研究動向や研究成果を,各分野の専門家を招聘するなどして詳しく調査した. また,本研究課題に対して,次のような成果を得た. (1)データ圧縮手法のうち,Move-to-Front(MTF)法にづいて詳しい解析を行い,どのような情報源に対してMTF法でエントロピーレートまで圧縮可能か否かを明らかにした.その結果,エントロピーレートまで圧縮できるのは,ある特殊な条件を満たす1次マルコフ情報源の場合だけであり,2次以上のマルコフ情報源は一般にはエントロピーレートまで圧縮できないことが分かった.これらの成果を,IEEE Transactions on Information Theoryに発表した. (2)データ圧縮手法の反辞書法(Anti-dictionary method)に関して次の成果を得た.反辞書法は,ユニフィラな有限状態2値情報源で0と1の生起確率が0,0.5,1のいずれかしか取らない(あるいはそれに近い)特性を持つ情報源以外では,一般に圧縮率が悪い.しかし,反辞書法はデータ系列の情報源モデルを自動生成できる特長がある.これに対し,算術符号は与えられた情報源モデルの下で高性能な圧縮を達成できるが,多くの場合,データに適した情報源モデルを生成することが困難である.研究では,反辞書法でデータ系列のモデルを自動生成し,そのモデルの下で算術符号化を行うデータ圧縮法を提案し,高性能な圧縮が可能なことを明らかにした. (3)木のデータ構造を用いるデータ圧縮符号の同期系列について詳しい検討を行い,同期系列を持たない符号木の特徴付けを行った.
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Research Products
(2 results)