2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応通信のためのMIMOソフトウェアアンテナに関する研究
Project/Area Number |
17360177
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
唐沢 好男 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40313407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 正治 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80180173)
谷口 哲樹 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50283099)
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Keywords | MIMO / ソフトウェアアンテナ / 電波伝搬 / 環境適応通信 / 伝搬モデル / マルチパスフェージング / キーホール環境 |
Research Abstract |
1.統計的MIMOチャネルモデル確立のための基礎的検討 周波数選択性フェージングに対応する方法としては、空間フィルタリングのみを用いる簡便さを特徴とする方法と、タップ付き遅延線(TDL : Tapped Delay Line)を用いた時空間処理による高性能な手法の2種類を提案した。また、時空間処理を用いた後者の手法は演算量が非常に多くなるという問題点があるため、伝搬信号をいくつかのサブバンドに分けて適応処理を行うことにより、演算量の軽減を行う手法についても提案した。また、端末が高速で移動することによる時間相関劣化に伴って問題が発生する高速フェージング対応では、ITSでの利用を想定した交差点における衝突防止のための車々間通信用MIMOシステムに着目し、解析と劣化対策の研究を行なった。典型的な交差点のモデルを構築してこれをレイトレーシング法により解析することで高速フェージング発生の状況を明らかにし、これを踏まえて高速フェージングに強いアルゴリズムを提案して、その効果をシミュレーションにより確認した。また、MIMOチャネルの固有値の確率分布を簡易に求める方法を確立した。 2.伝搬実験、及び実験装置の改修 既存の2.2GHz 4x8 MIMO実験装置を用いた、電波暗室内マルチパス環境での基本実験を行い、固有値分布の確認や固有モード伝送・時空間ブロック符号化伝送等の実験を行った。MIMOシステムの小型化の観点から直交偏波の利用を提案しているが、マルチパスリッチ環境における伝搬特性を実験的に評価し、MIMO伝送路における偏波特性を明らかにした。 また、5GHz帯での測定については、本年度はその測定系構築を行った。4x4 MIMO伝送特性評価用5GHz帯送信系及び受信系の製作を進め、現時点で受信系の完成、送信系の9割程度の製作を終えており、来年度当初からの実験が可能である。また、これと併行して、理想的なマルチパスリッチ環境や後述のキーホール環境を得るために、完全遮蔽型電波反射箱(4m×2m×2mの金属で囲まれた箱)の製作を行った。次年度は、5GHz帯電波でのフィールド実験(広帯域伝搬データ取得)や、電波反射箱を用いたマルチパス環境での伝搬試験・伝送特性評価試験を行う。
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Research Products
(3 results)