2006 Fiscal Year Annual Research Report
光アシスト超音波速度イメージング法による医療画像診断装置
Project/Area Number |
17360193
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60137239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (40240543)
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Keywords | 光断層画像 / 超音波速度 / 画像診断装置 / 超音波アレイトランスデューサ / エコーパルス / 金ナノ粒子 / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
17年度は、超音波診断装置を購入し、光源と信号処理ボードを付加し、RF信号波形の光照射による変化をパソコンで演算し、光断層画像を表示する装置を試作した。本年度は、実用的な医療診断、治療装置の開発のために、試作装置の改良と生体擬似ファントムを用いた実験を行った。 1.試作装置の改良:生体組織に適用するために、超音波の境界が連続的に存在し、エコー強度が大きく変化する場合でも超音波速度変化画像が構成できるプログラムを開発した。RF波形データを領域分けし、適切に相互相関を求め、光照射によるエコーパルスシフトを算出するようにした。その結果、動物組織においても超音波速度変化画像を得ることができ、アーチファクトを抑えることも成功した。 2.生体擬似試料における金ナノ粒子分布の測定:近年、DDS (Drug Delivery System)等における標識としてナノ粒子の研究が盛んに行われている。有効なDDSのためには、標識の生体内における堆積状態のモニターが必要である。しかし、生体組織は光に対して強い散乱を示すので現在までに有効なモニターはなく、本方式の適用が期待される。 金ナノロッドは、形状によって局在プラズマ共鳴による吸収波長を変化できる。生体組織の吸収の少ない近赤外域に吸収ピークをもつ金ナノロッドを用い、寒天に混ぜ、鶏肉に挿入し、ファントムとした。半導体レーザー(809nm)を光源として、通常のBモード画像と超音波速度変化画像を測定した。通常のBモード画像は、組織境界を示していたが、分布領域を特定することはなかった。超音波速度変化画像は、ファントム深部に分布した金ナノロッドの分布領域を明瞭に示していた。分光特性、3D分布測定も行った。 本方式により、生体擬似ファントム中で金ナノ粒子分布領域を検出することができ、生体深部でも適用可能な生体標識の実用的なモニターとしての可能性が示された。
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Research Products
(7 results)