2006 Fiscal Year Annual Research Report
多波長・多偏波高分解能合成開口レーダによる森林情報計測システムの開発
Project/Area Number |
17360194
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
高木 方隆 高知工科大学, 工学部, 教授 (50251468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀澤 栄 高知工科大学, 工学部, 助教授 (20368856)
島田 政信 宇宙航空研究開発機構, 地球観測利用推進センター, 主任研究員 (90358721)
渡辺 学 宇宙航空研究開発機構, 地球観測利用推進センター, 研究員 (10371147)
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Keywords | 計測工学 / リモートセンシング / 林学 / 映像レーダ / アルゴリズム |
Research Abstract |
前年度に開発した高分解能合成開口レーダ(SAR)による森林バイオマス計測アルゴリズムでは、航空機搭載合成開口レーダPi-SARによって収集された苫小牧針葉樹林の振幅画像とバイオマスとの定量関係を示す最適な手法を検討し、L-バンドクロス偏波振幅画像のテクスチャに最も良くフィットするK-分布のオーダーパラメタから森林バイオマスを計測するアルゴリズムを開発した。本年度は、現地計測バイオマスデータの再検討を行い、エラーバーを含めたモデルの実験式を導出し、計測可能なバイオマス上限値の検討を行った。結果として、森林バイオマスが約100ton/ha以上になると、画像振幅のゆらぎがガウス分布に近くなり計測誤差も大きくなることから、本モデルによる針葉樹林バイオマスの計測限界は100ton/ha前後であることが確認された。2006年8月の地球観測衛星ALOS-PALSAR飛来時に、航空機搭載Pi-SARと苫小牧森林での同時観測を実施し、SARデータと現地データを収集した。地上実験では、3mの電波反射鏡2台と60cm電波反射鏡12台を森林の内外に設置し、マイクロ波の森林への透過率を計測する基礎データを収集した。さらに、SARと光学系センサによる樹種分類と2004年9月の台風による倒木被害情報の抽出の可能性を検討するために、苫小牧森林管理局から林班図と倒木被害図を入手し、現地での被害状況を調査した。結果として、高分解能衛星QuickBirdのマルチスペクトル画像からの樹種分類は困難であるが、多時期データからの落葉樹と常緑樹の分類は90%以上の精度で可能であることが判明した。また、光学系データは台風直後の葉緑素を含む多くの葉が残っている時に収集されたため、光学系データからの倒木領域の抽出はできなかった。倒木後の枯れ葉状態になれば光学系データによる倒木被害情報の抽出は可能であると考える。
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Research Products
(6 results)