Research Abstract |
19年度は,本研究課題の最終年度として,離散ダイナミクスのリアルタイムモデリングを中心に,1)離散ダイナミクスの状態方程式モデルの離散変数の最小性に関する理論的研究,および,2)グラフ型ダイナミクスを含むハイブリッドシステムの制御系設計問題の定式化と,1)のモデリング法を利用した,その効率的な解法に関する統合的な研究,をおこなった.まず,これまで離散ダイナミクスを0-1変数から成る不等式付き状態方程式で表現するための手法を提案してきたが,その得られるモデルによる最適化計算の計算量を定量的に評価するために,最適化問題の離散変数の最小数性に関する理論的な結果を導出した.これにより,提案モデルはある限られたクラスの表現形式の中では最小表現になっていることがわかり,本モデルの妥当性が理論的な根拠のもとで検証された.つぎに,モデリングと制御系設計の統合のために,グラフ型ダイナミクスを含む一般的な制御系設計問題を定式化し,その解法を与えた.そして,その解法にあたり,1)で導出したモデリング法を離散ダイナミクスの変化分だけをリアルタイムで更新するアルゴリズムに拡張し,その結果,効率よく最適解を見つけ出すアルゴリズムを汎用的な形式で提案した.また提案しているリアルタイムモデリング手法のアルゴリズムをMatlab上でモデリングツールボックスとして開発した.最後に,本研究の総括を行い,実用化のために残された課題を整理した.
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