2008 Fiscal Year Annual Research Report
離散事象システム理論に基づく組み込み型制御系のエネルギーアウェアな監視機構設計
Project/Area Number |
17360198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
潮 俊光 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (30184998)
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Keywords | QoS公平化制御 / 動的リソース配分 / 低消費電力 / 弾性タスクモデル / スケジューリング / ハイブリッドオートマトン |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下のとおりである. 1.消費電力とQoSの最適化のためのリソース配分法:一般に,DVS方式のCPUでは,消費電力を低くするためには,CPU周波数を小さくする必要がある.その結果,CPUの処理速度が落ちる.このことは,タスクの実行時間の増加につながり,その結果,過負荷状態になる.この過負荷状態を避けるためには,タスクの実行結果の品質(QoS)を劣化させる必要がある.消費電力とQoSとの間のトレードオフを定式化するために,弾性タスクモデルにおける力を公平性の評価指標として用いることを提案した.一般にCPU周波数は離散値をとることから,このトレードオフの解消問題を混合整数計画問題として定式化できることを示し,弾性タスクの特性を利用した効率的な最適解探索アルゴリズムを提案した.また,バッテリー駆動型組み込みシステムにおける残余エネルギーの各タスクの実行への割り当てをQoSの公平化の観点から決定する方法も提案した. 2.協調制御のリソース配分制御への応用:タスク数が増えると,すべてのタスクのQoSの更新を待ってリソースの再配分をするよりも更新できたタスク間で再配分する分散管理が望ましい.マルチエージェントシステムのパフォーマンスコンセンサス問題に対する協調制御法を応用して,メモリや通信帯域などのマルチリソースのもとで,公平なQoSを達成するための動的リソース配分方法を提案した. 3.サンプル値事象制御器の設計:サンプル値事象制御器設計法はハイブリッドシステムに対する組み込み制御において重要な設計法である.制御仕様が述語で与えられたとき,その制御仕様が制御不変となるための必要十分条件を導出した.次に,与えられた述語の最大制御不変述語が常に存在することを証明した.最後に,これを求めるアルゴリズムを提案し,サンプル値事象制御器を求めた.
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Research Products
(4 results)