2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロセス監視と制御のコンカレント構造を有するメモリベース型制御システムの開発
Project/Area Number |
17360199
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 透 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10200825)
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Keywords | プロセス制御 / プロセス監視 / 制御性能評価 / PID制御 / データベース / データ駆動型制御 |
Research Abstract |
制御性能評価と制御系設計法とをコンカレントに融合した新しい制御システムを開発した。平成18年度における具体的な研究成果は,以下の通りである。 (1)モデリング制御性能評価に基づいて,システム同定とPID制御器の制御パラメータ(PIDパラメータ)を自己調整する方法について考察立した。 (2)一般化最小分散制御法との関連に基づくPID制御器の設計法を,制御性能評価法との関連から眺め,予め設定した制御性能が実現されるように,可調整パラメータ(制御入力項にかかる重み係数)が自動調整される方法について考察した。 (3)上記(1)と(2)を融合する「パフォーマンス・アダプティブPID制御法」を確立した。これにより,制御性能が劣化したときのみシステム同定とPIDパラメータ調整が行われるために,従来法であるセルフチューニングPID制御法に比べて,計算コストを大幅に削減し,十分な信頼性(安全性)が期待できる。とくに,本手法は制御性能評価と制御系の再構築(PIDパラメータの再調整)を融合する,ひとつの形を示しており,「Plan・Do・See・Check」を一連とした有用性の高い制御システムとなっている。 (4)上述のパフォーマンス・アダプティブPID制御手法の有用性を,空気圧力制御実験により確認した。とくに,システム変動(タンク内の液位の変化)に対する有用性が,従来法に比べて顕著であった。 (5)非線形システムに対するパフォーマンス・アダプティブPID制御手法として,上述の方法とメモリベース型制御系とを融合した制御手法について考察した。 (6)現場技術者に研究協力者として参画していただき,本手法の実システムにおける有用性について詳細に検討した。その結果,計算コストの削減等により,実用性を高めることができた。 今後は,上述の研究成果に基づいて,実システムに対する実装について,引き続き検討を重ねる予定である。
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Research Products
(7 results)