2005 Fiscal Year Annual Research Report
構造システムの各性能指標を高度化させたハイブリッド連続繊維補強材の創出
Project/Area Number |
17360201
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
呉 智深 茨城大学, 工学部, 教授 (00223438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 公夫 茨城大学, 工学部, 教授 (50165271)
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Keywords | 連続繊維 / ハイブリッド設計 / 自己診断機能 / 光ファイバセンサ / ハイブリッドシート / 補強効果 / ハイブリッドFRPロッド / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究では、ハイブリッド連続繊維補強材の設計思想を確立し、実用的なハイブリッド補強筋、補強シートおよびそれらの応用手法の開発を目的としている。本年度の研究成果は以下のとおりである。 1.本研究代表者がこれまで初歩的に考案してきたハイブリッド連続繊維補強材の基本概念を基に、超高弾性、高弾性および高強度の三種類炭素連続繊維とPBO連続繊維、その他各種レベルの高伸度を有するガラス、ダイニーマなどの繊維材の剛性、強度、靱性、耐クリープ性、耐火性、耐疲労特性、温度適応性能などを生かしたハイブリッド設計を行った。また、連続繊維のエネルギー吸収性能が連続繊維の破断過程において発揮する有効な役割を定量的に究明し、PBOやダイニーマ繊維の破断瞬間における変形特性の分析結果から適切な高伸度繊維の最適選択法を検討している。 2.ハイブリッド連続繊維補強材にヘルスモニタリング知能性能を持たせるために、繊維材料自身の段階的な破断による繊維方向の電気抵抗の変化を利用した自己診断システムの検討を行った。また、光ファイバをハイブリッドロッドやシート中に配置することにより、補強材にセンサ機能を付与し、高精度で適切な光ファイバモニタリングシステムの検討を行っている。 3.ハイブリッド連続繊維ロッド材およびシート材の試作を行い、試作した補強材の静的な力学性能、耐疲労性能、耐クリープ性能およびモニタリング知能性状を実験的に確認している。また、試作された各種レベルのハイブリッド連続繊維補強材に対して、コンクリートとの接着・付着特性、圧縮・曲げ・せん断・靱性補強効果、復旧性能、モニタリング性状などに関する実験および解析を行った。 4.変位適合条件や各種材料の応力-ひずみ関係を導入した非線形有限要素解析を行い、ハイブリッド連続繊維補強筋および補強シートの補強設計、補強効果の評価を行った。そして、破壊力学的評価手法を用いて、ハイブリッド化された繊維シートの剥離・段階的な繊維シートの破断および通常のコンクリートひび割れを同時に評価できる非線形有限要素による構造解析手法を提案している。
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Research Products
(6 results)