2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の地震時挙動に与える長周期成分の卓越した地震動の影響
Project/Area Number |
17360204
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70151933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉戸 真太 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (60115863)
中村 光 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60242616)
岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60232716)
糸山 豊 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (10335094)
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Keywords | 海溝型巨大地震 / 動的応答解析 / 長周期成分 / 道路橋 / せん断力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長周期成分が卓越する海溝型巨大地震を模擬した入力地震動を同定し固有周期の比較的長いコンクリート構造物を対象として動的応答解析を行い、地震時の挙動を把握することである。本年度は、以下の成果が得られた。 1.長周期成分の卓越した2003年十勝沖地震の波形がいくつか計測されているので、その工学的基盤面での波形を求めた。また、海溝型巨大地震による地震動の特徴は、長い強震継続時間と長周期成分が相対的に多く含まれることである。そこで、過去の地震動の記録から強震継続時間が異なる地震動記録を選定するとともに、典型的な海溝型巨大地震であり、地震動の特性として長周期成分が卓越するものと考えられる東南海・東海連動型地震の工学的基盤面での波形を推定した。 2.数種類の道路橋を対象として、上記の地震動に対して、動的応答解析を行った。ゴム支承を用いると橋梁の固有周期が長くなるため、長周期成分の卓越した地震動による共振現象の可能性が高くなる。ゴム支承を用いた道路橋は、鋼製支承を用いた場合と比較して、橋脚に作用するせん断力を低減できるが、周期1秒から数秒程度のやや長周期成分を多く含む地震波の場合は、共振現象によりせん断力の低減が小さくなることが明らかになった。 3.長周期成分の卓越する地震動の場合、地震動のピークが過ぎた後にコンクリート構造物が急激に破壊に至る可能性がある。そこで道路橋を対象に、内陸型地震動と海溝型地震動を入力し、地震動のピーク後の挙動について数値解析的に検討するとともに、最大加速度を80%,60%に低減した地震波を連続入力し、損傷を受けた構造物の余震に対する応答挙動と地震動のタイプの関係について検討した。その結果、構造物の応答特性と地震動の周期特性の組合せによっては、地震動のピーク後に応答が励起されること、並びに80%に加速度を低減した余震に対し、本震以上の応答を示すことが明らかになった。
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Research Products
(6 results)