Research Abstract |
本研究は,車両通過時に道路橋モジュラー型エクスパンション・ジョイント部から発生する騒音について,その発生メカニズム,人間への影響,および最適な騒音制御法を解明することを目的とする.平成18年度は主として実橋計測に基づき研究を進めたが,その研究実績は以下のとおりである. 1)17年度に騒音・振動を実測した4主桁非合成桁橋について,有限要素解析により,道路橋モジュラー型ジョイントおよび橋桁が構造として有する固有振動数の分布,振動モードを,固体音騒音で対象となる500Hzまでの範囲で解明した.また,2本のミドルビームと止水ゴムが作る空間,ジョイント下部空間,桁下空間の固有音響周波数特性を,500Hz以上の空気破裂音騒音との関連で考察を加えた. 2)モジュラー型ジョイントを有する連続PC箱桁橋を対象として,橋桁振動に起因した騒音,ジョイント直下の隣接箱桁間空間からの騒音,車両走行音等を含んだ実橋レベルでの騒音・振動を実測し,車両が道路橋ジョイント部を通過した際の橋梁近傍での騒音伝播特性を解明した.その結果を,4主桁非合成桁橋ジョイントからの騒音と比較し,構造形式や桁剛性の及ぼすモジュラー型ジョイント騒音特性への影響を明確にしている.また,通過車種及び通過速度による騒音特性の違いについても考察した. 3)実測した鋼桁橋・PC桁橋での騒音・振動データを詳細に解析して,複数の周波成分の音源を同時に,しかも時間変化に着目して探査し,ジョイント騒音の各周波数成分の発生源,および発生メカニズムを,構造の固有振動特性および各種空間の音響特性との関連で,解明した.また,A特性補正を施した音圧スペクトルおよびその非定常性から,苦情の要因となり得る騒音周波数成分とその発生源についても考察を加えた
|