2006 Fiscal Year Annual Research Report
腐食と補修の履歴を考慮した既設鋼構造物の3次元耐震性能評価法に関する研究
Project/Area Number |
17360211
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 芳顯 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90144188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 誠 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30194624)
川西 直樹 豊田工業専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (60300589)
永田 和寿 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40301238)
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Keywords | 既設鋼構造物 / 腐食と補修履歴 / 延性破壊 / 耐震性能 |
Research Abstract |
鋼構造物の耐震性能を評価する上で重要な限界状態である延性破壊の評価ならびに延性破壊を扱えるよう前年度開発した解析手法の改良方法を検討した.さらに,前年度および今年度実施した現地調査の結果を基に実験供試体を製作するとともにその耐震性能の評価を行った. 1.腐食欠損によるローカルな幾何形状の変化に起因したふずみ集中による延性破壊を評価するために,腐食欠損した鋼材の引張試験により破壊性状を観察するとともに汎用非線形有限要素解析プログラムABAQUSによる数値解析により延性破壊の評価を行った. 2.腐食や補修履歴の影響を構造物の残存耐力評価に直接的に反映しうる解析法に延性破壊現象が扱えるボイド損傷理論を導入することについて検討した.この理論は実際の物理現象に対応したものであるが,内部から延性破壊が生じる場合を対象としており,表面から生じる場合には精度が悪いことが判明した.したがって,ここでは三軸応力度と相当塑性ひずみをパラメータとした延性き裂発生条件式を実験的に求めこれを解析に導入した.このき裂発生条件式はき裂が内部から発生する場合と表面から発生する場合を区別して扱っており,精度も比較的良い. 3.前年度行った現地調査と今年度追加して行った現地調査の結果に基づき,曲げ部材として鋼管杭を対象とすることとし,腐食欠損した鋼管杭の実験供試体を製作するとともに,その実験供試体に対して汎用非線形有限要素解析プログラムABAQUSによる数値解析を行い,腐食欠損が耐震性能(強度と変形性能)におよぼす影響について評価を行った. 来年度は,今年度製作した鋼管杭の載荷実験を行い腐食欠損した鋼管杭の耐震性能を3次元実験により評価するとともに,開発した腐食欠損と延性破壊を考慮した3次元解析手法を用いた数値解析を行い,腐食や補修の履歴が既設鋼構造物の耐震性能に与える影響について明らかにする予定である.
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Research Products
(9 results)