2005 Fiscal Year Annual Research Report
温度履歴・高温環境下におけるベントナイト系緩衝材の膨潤・自己シール性評価法の開発
Project/Area Number |
17360220
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小峯 秀雄 茨城大学, 工学部, 助教授 (90334010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 一哉 茨城大学, 工学部, 教授 (20069826)
村上 哲 茨城大学, 工学部, 講師 (10261744)
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Keywords | ベントナイト / 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分 / 膨潤 / 温度履歴 / 粘土鉱物 / モンモリトナイト / 陽イオン |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の地層処分において,オーバーパックと周辺岩盤との間の充填材料である緩衝材には,膨潤性や低透水性等を有しているベントナイトの利用が有望視されている.その際,高レベル放射性廃棄物は崩壊熱を発生し,その影響をベントナイトが受け,緩衝材として要求される上記の性質の低下が懸念されている.そこで平成17年度は,基本的性質の異なる4種類のベントナイトに対し,加熱温度60〜130℃,加熱期間28,120,365日間の条件で温度履歴を与え,ベントナイトの膨潤圧・膨潤変形特性に及ぼす温度履歴の影響を実験的に調査した.その結果,以下のような実験的知見を取得した. 1.Na型の3種類のベントナイトの膨潤圧特性への温度履歴の影響は,加熱温度130℃以下,加熱期間120日以内の条件で小さい.また,その影響が小さいと判断される初期乾燥密度や最大膨潤圧の範囲もベントナイト毎に明らかとした. 2.Ca型ベントナイトの膨潤圧特性への温度履歴は,初期乾燥密度依存性が確認され,乾燥密度が1.22〜1.27Mg/m^3,加熱温度130℃,加熱期間28日と120日の条件で,膨潤圧が約35〜41%低下した.しかし,初期乾燥密度が1.37〜1.53Mg/m^3の範囲では,膨潤圧特性への温度履歴の影響は小さい. 3.Na型の3種類のベントナイトの鉛直圧1000kPa下における膨潤変形特性においては温度履歴の影響は小さい.また温度履歴の影響が小さいと考えられる初期乾燥密度や膨潤後乾燥密度の範囲もベントナイト毎に明らかにした.一方,一種類のベントナイトのみ鉛直圧500kPa下において実験を行なった結果,加熱温度90℃,加熱期間365日の条件で膨潤変形特性が低下した.このことからベントナイトへの温度履歴の影響は拘束圧に依存することも分かった.
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