Research Abstract |
掘削問題では多くの場合土圧だけでなく水圧の影響を考える必要がある。しかし,通常の実務では土圧と水圧を分離して解析し設計に利用さているが,本来地盤は土と水の連成問題として扱うべきものである。本年度は現有の土、水連成解析プログラムを3次元でのトンネルや山留め掘削の施工過程を忠実に再現できるように改良し,それを用いて間隙水の影響を考えた掘削問題の解析を行った。sの結果,既設構造物荷重や施工過程はもとより,間隙水の移動の影響含め,地盤の変形や作用土圧,水圧を総合的に解析することが可能となった。また,より精緻な解析を行うため,構成モデル(subloading tij model)だけでなく,トンネル掘削問題ではトンネル剛性,アンカー、プレライニング等の剛性,境界面摩擦等を,山留め掘削問題では山留め壁,切梁の剛性,壁面摩擦等を考慮した。そのために,従来の2次元膜要素,ビーム要素,弾塑性ジョイント要素を3次元に拡張した。なお,摩擦特性が構造物や地盤の応力、変形与える影響については,境界面の摩擦特性を適切に表現できる弾塑性ジョイント要素を用いて解析した。なお,2次元問題では,これまでにも種々の掘削問題等の解析に適用し,その必要性を確かめている。 17年度からの解析結果とモデル試験結果の比較,18年度以降の解析結果と現場実測値の比較を通して,既設構造物荷重や施工過程を考慮した掘削時の地盤の変形、破壊メカニズムをトンネル,山留めと区別せず解明するとともに,構造物本体および地盤の応力、変形を定量的に解析、予測する手法を提案した。ここでの成果と従来の設計法の比較、検討から,種々の施工条件に対応でき,最適の掘削法を決められる解析、設計システムの構築へと発展させることが可能となる。
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