2006 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域における底泥の輸送と物質変換機能の解析のための複合微生物群集解析手法の応用
Project/Area Number |
17360254
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90251347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味埜 俊 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
磯部 雅彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20114374)
鯉渕 幸生 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (60349800)
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Keywords | 底泥 / 複合微生物系 / 群集構造 / 微生物マーカー / 沿岸域 / 東京湾 / 有明海 |
Research Abstract |
本年度は東京湾3地点および有明海3地点から採取した底泥試料中の細菌群集をクローニング法により解析した。このさい、全細菌、Annamox細菌、アンモニア酸化細菌のそれぞれを標的として解析を試み、それぞれの場合についてサンプル採取点ごとに特徴があることを見ることができた。紅色細菌系のアンモニア酸化細菌は増殖速度が遅く、地点ごとの履歴をより代表しやすいと考えた。そこで、アンモニア酸化細菌に焦点を絞り、さらに研究を進めることとした。アンモニア酸化細菌を対象とするクローンライブラリをもとに、主要なクラスターを見いだし、それらを互いに分別するのに適した制限酵素を選定した。そして、その制限酵素とT-RFLP法を組み合わせることで、主要なアンモニア細菌群集構成を調べる手法を開発した。有明海については全23カ所で試料を採取し、アンモニア酸化細菌群集構造の平面的な分布を捉えることを試みた。その結果、筑後川下流から湾内左回りに分布しているクラスターや、また、湾央に行くに従って増えるクラスターが見られた。筑後川から流入する淡水は湾内を左回りに進むといわれており、それと一致する結果が得られた。また、東京湾においても、扱った地点数は少ないものの、夏から冬にかけての季節変動を見ることができた。有明海とは群集構造が異なったため、別の制限酵素を用いる必要があった。しかし、アンモニア酸化細菌の8割から9割程度が2つのクラスターで説明できること、また、それらの比率は地点ごとに異なることがわかった。
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Research Products
(2 results)