2005 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン領域の超微粒度吸着剤を用いた高速前処理をともなう膜分離
Project/Area Number |
17360255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松井 佳彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00173790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 拓 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30283401)
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Keywords | 吸着 / 活性炭 / MF膜 / 膜分離 / 浄水 |
Research Abstract |
MF膜処理は,設置面積が小さく,バクテリア等の懸濁物がほぼ確実に除去できる優れた特徴を有するが,白然由来有機物(NOM)のような溶存性物質に対しての効果が低いという弱点も有する.そこで,溶存性物質の除去率を高めるために凝集処理や活性炭処理を前処理とした複合MF膜処理が提案されている.ところが,凝集により微粒子を膜孔径以上の大きさにするために要する時間は極めて短い反面,活性炭吸着に要する時間が長いため,MF膜処理の利点である設置面積の省スペース性と相容れない.研究では,粒径1μm以下のサブミクロンサイズまで超微粉化した活性炭により吸着速度を飛躍的に増加させ,高速度運転が可能な吸着・MF膜複合処理法を検討した. サブミクロンサイズまで超微粒度化した活性炭をMF膜の前処理に用いることによって,添加濃度と接触時間の大幅な削減が可能であることを示した.活性炭接触時間としては2.4秒で十分であり,さらに添加量も従来の粉末活性炭に比べて75%削減できることがわかった.この理由は,超微粒度化は粒子外表面の比表面積の増加みならず活性炭内部のメソ孔の増加による活性炭自体の吸着容量と活性炭粒子内の細孔拡散係数をも増加する効果があることを見出した.また,超微粉化活性炭を使用することによる顕著な膜間差圧の上昇が起こらないことも示された.本研究より,分離膜への流入途中に超微粉化活性炭を添加するだけで処理水質が向上することが示唆された.
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Research Products
(5 results)