2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋地域を対象とした有毒藍藻発生抑制・低減化システムの開発
Project/Area Number |
17360260
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
岩見 徳雄 明星大学, 理工学部, 助教授 (00353532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板山 朋総 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 研究員 (80353530)
稲森 悠平 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会, 廃棄物研究センター・室長 (10142093)
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Keywords | アオコ / 有毒藍藻 / 捕食分解 / バイオリアクター / 水生植物 / 抑制 / 低減化 / アジア太平洋地域 |
Research Abstract |
アジア太平洋地域の小規模淡水域における有毒藍藻の発生抑制・低減化システムとして、有毒藍藻を捕食分解可能な微小動物の定着型バイオリアクターと捕食分解時に回帰する窒素、リン除去のための水生植物植栽浄化システムとを組合せたハイブリッドリアクターメソコズムシステム(HRMS)の開発とその適正導入のための調査および実証研究を行っている。本年度は、HRMSをタイ王国チェンマイ市に位置するメージョ大学内の屋外実験池に2基設置した。1基のHRMSの担体充填槽には、 H17年度にカラム試験においてVinpt Microcystis属を捕食する微小動物の付着が確認された多孔質スポンジ担体を充填し、植栽水路にはパックブンという水生植物を植栽した。もう1基のHRMSは担体充填および植栽は行わない対照系とした。約8ヶ月間にわたる実験の結果、孔質スポンジ担体のほとんどは、担体どうしの衝突による摩耗で消滅したものの、僅かに残った担体中からはMicrocystis 属を捕食する微小動物の定着が確認された。国内実験の結果からは、多孔質スポンジ担体流動式の生物反応槽が有効と判断されたが、タイ国内で入手した担体の強度に問題が生じた。このため、担体をリングレースタイプの固定式に変更し再運転を実施した。一方、植栽水路のパックブンの生長は良好であることがわかり、最低でも1年間に4回程度の間引き刈り取りが必要であることもわかった。有毒物質microcystinについては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精密分析に加え、microcystin類がもつプロテインフォスファターゼ阻害活性を用いたPP2A assayによる定量的評価を行った。なお、本年度は、オーストラリアのシドニーの実験サイトにHRMSを導入する予定であったが、実験サイトの改修工事および渇水により、HRMSの設置1と実証実験は不可能となった。
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Research Products
(1 results)