2006 Fiscal Year Annual Research Report
硬化型復元力特性を持つデバイスを設置して建物の応答を制御する設計法の開発
Project/Area Number |
17360263
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 範夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50250725)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 匡樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30262413)
船木 尚己 東北工業大学, 工学部, 講師 (70347897)
堀 則男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60292249)
|
Keywords | 建築構造 / 耐震 / 応答制御 / 振動実験 / エネルギー応答 / ダンパー / ストッパー / 硬化型復元力特性 |
Research Abstract |
1.応答変形分布を制御する設計法の予備的検討 二段階設計法で得られた成果を基とし、大地震時における建物の変形制御機構の効果をさらに発展させて、積極的に応答変形分布を制御する設計法について予備的検討を行った。検討にあたっては、井上と堀が長年検討を行ってきた、エネルギー応答による応答推定の手法を十分に活用した。対象建物は、基本的考え方を明らかにするため、線形の復元力特性を有するものを主体とし、設計法の全体システムの構築と、本設計法の有利性を示した。 2.3層縮小試験体の振動台実験による検証 応答変形分布を検討するためには多層の試験体が必要なので、そのうちもっとも簡便な鉄骨造3層縮小試験体を用いて振動台実験を行った。実験においては、昨年度実施した予備的検討結果に基づき、適切な応答変形分布を仮定して、必要なダンパー量、ストッパーのキャップ量を定め、振動実験を行って得られた結果が仮定した応答変形分布になることを実証した。試験体は、前年度に実施した1層縮小模型をさらに小さくしたものを3層としたものて、基本的考え方は同様である。 3.応答変形分布を制御する設計法の開発 解析による予備的検討結果及び3層縮小試験体の振動台実験による検証結果を総合的に判断して、応答変形分布を制御する設計法の有用性を明らかにした。検討する建物は、まず鉄骨造を意識して線形の復元力特性を持つものとし、剛性分布を主たるパラメータとして検討した。つづいて、鉄筋コンクリート造を対象として、弾塑性の復元力特性を考慮し、剛性及ひ耐力分布を主なパラメータとして検討を行った。エネルギー応答に基づいた設計法により、大地震で大きな塑性変形か生じても、高さ方向の塑性率を均一にし、さらに設計で目標とする塑性率以下に収まるようにすることかできた。 4.得られた成果を国内および米国の会議において発表した。
|