2006 Fiscal Year Annual Research Report
浮屋根との連成を考慮した大型液体貯槽の地震時スロッシング応答とその抑止策
Project/Area Number |
17360278
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松井 徹哉 名城大学, 理工学部, 教授 (70023083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 厚 名城大学, 理工学部, 教授 (90278325)
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Keywords | 液体貯槽 / 浮屋根 / スロッシング / 長周期地震動 / 流体-構造物動的相互作用 / ポテンシャル理論 / シングルデッキ / ダブルデッキ |
Research Abstract |
シングルデッキ型浮屋根を有する円筒液体貯槽を対象に,浮屋根と内部液体との連成作用を考慮した地震時スロッシング応答の解析解を線形ポテンシャル理論に基づき導出した。浮屋根の変位をデッキ・ポンツーン連成系の空中固有振動モードに展開することによって,既提出の解をより簡潔な解表現に改めるとともに,浮屋根の剛性・質量やセンターポンツーンの有無がスロッシング応答に及ぼす影響を検討した。さらに,任意の形状と剛性・質量分布を有する浮屋根にも適用できる解法としてFEM(有限要素法)と解析解の結合解法を提案し,リブ補強型浮屋根に適用して補強の効果を検討した。研究結果から得られた知見は以下のように要約される。 1.シングルデッキ型浮屋根の場合,浮屋根による拘束効果はきわめて小さく,ポンツーンの剛性にかかわらず自由液面に近い液面変位分布となるが,ダブルデッキ型およびリブ補強型浮屋根の場合は,浮屋根はほぼ剛体的に変位し,浮屋根による拘束効果によって中央部では自由液面の場合よりもかなり小さな液面変位になる。 2.シングルデッキ型浮屋根の場合,動液圧分布は剛性の高いポンツーン部に集中し,デッキ部とポンツーン部との接続部に鋼材の降伏点ひずみに達する大きな曲げひずみが発生する。ダブルデッキ型およびリブ補強型浮屋根では,動液圧や曲げひずみはシングルデッキ型浮屋根の場合よりも増加するが,断面の厚さが十分であれば,曲げひずみは通常の鋼材の降伏点ひずみを超えることはない。 3.以上の結果を踏まえると,2003年十勝沖地震で発生した浮屋根の沈没等のスロッシング被害を防止するためには,シングルデッキ型浮屋根をダブルデッキ型あるいはリブ補強型浮屋根に改修することが望ましい。その際,補強の効果を検討するには,本研究で提案したFEMと解析解の結合解法が有効である。
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Research Products
(6 results)