2005 Fiscal Year Annual Research Report
音の粒子速度計測法の確立と音響現象の解明への適用研究
Project/Area Number |
17360283
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩瀬 昭雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30114391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 拓也 新潟大学, 自然科学系, 助手 (40332647)
吉村 純一 (財)小林理学研究科, 建築音響第二研究室, 室長 (00142050)
杉江 聡 (財)小林理学研究科, 建築音響第一研究室, 研究員 (00280644)
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Keywords | 粒子速度 / 音響インピーダンス / 音響アドミッタンス / 多孔質吸音材料 / グラスウール / 孔あき版 / 共鳴器 / 2重壁 |
Research Abstract |
1.粒子速度計センサーを使用するために粒子速度値と音圧値間とで理論的関係に基づいた校正する方法を試みた。すなわち、音響インピーダンスの基準となる空気中にマイクロフォンと粒子速度センサーを並置して、やや離れた地点からのホワイトノイズ音源からの音波を受信して両者間の伝達関数分析を行って相対的校正する方法を試みた。また、センサー出力に指向性と極性の有ることと風の影響の程度について確認した。 2.熱線型粒子速度センサーとマイクロフォンを用いるインピーダンス計測法に取り組んだ。 まず、新潟大学構内の草の生えている地表面にマイクロフォンと粒子速度センサーを並置して、直上のホワイトノイズ音源からの音波放射を行い、両者の伝達関数分析からインピーダンスの計測が行えることを確認した。 次いで、北海道の広い草原において、音響インピーダンスの計測と音響伝搬特性の計測を行い、音響インピーダンスの計測値による音響伝搬特性の数値計算を行い実測との対応を確認した。 さらに、積雪面を対象に同様な検討を行った。 3.孔あき版、スリット構造、ヘルムホルツ型共鳴器の吸音特性について(2)のインピーダンス計測法を適用し、鋭い共鳴特性が生じていることが計測でき、本研究の有効性を確認した。 4.多孔質排水性舗装の健全度を共鳴現象の観測などで診断する方法に粒子速度センサーの指向性が有効であることも確認できた。 5.軽量2重壁内の遮音性能の向上に多孔質吸音材の挿入が有効で、音波の入射角度依存性の有ることを確認した。2重壁内の音響的振る舞いの解析、すなわち、音圧分布や粒子速度の分布特性の把握が重要で、今後の研究課題としてクローズアップすべきと示唆された。
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