Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖村 孝 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (50031125)
三輪 康一 神戸大学, 工学部, 助教授 (10116262)
小浦 久子 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30243174)
末包 伸吾 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (10273757)
栗山 尚子 神戸大学, 工学部, 助手 (00362757)
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Research Abstract |
研究の目的は,「街区協同再生システム」の構築に向けて,景観・防災・法制度・地域経済等の視点による評価により,市街地整備と協同的生活スタイル構築に係る政策上の位置づけを与え,モデル街区を対象として<仮想的整備プログラム>の街区への影響を評価することである。今年度は神戸市の駒ヶ林地区(戦前からの漁師町の街区割を残す密集住宅市街地)と上池田地区(戦後のスプロールで形成された山麓密集住宅市街地)を調査対象とし,現地調査,アンケート,シミュレーションを行った。 1.密集市街地を対象とした,整備地区および課題抽出 駒ヶ林地区では,木造老朽建物と幅員の狭い路地の存在により住環境改善の必要性が高いこと,改善時の障害は,戸建住宅では道路幅員の狭さ,借家世帯では家主・地主の了解が得にくく,隣家と壁を共有していること等を明らかにした。上池田地区では,接道条件の悪い土地の空地・空き家化が進行し,眺望等の魅力はあるが,道の幅員の狭さ等の課題もあり,坂の勾配や階段の上り下りのきつさという山麓特有の課題が,住替えの阻害要因であること等を析出した。 2.街区協同再生システムの構成要素の解明とその評価分析手法の開発 駒ヶ林町1丁目をモデル地区とし,従前の延床面積の確保と空地面積の増減を評価項目とし,整備手法の有効性を検証した。上池田4丁目をモデル地区とし,住宅の密度,接道状況等を評価項目とし,空地・空き家宅地の更新性を評価した。 3.モデル地区を対象とした参加型の<仮想的整備プログラム>の実施とその検証 駒ヶ林では,現況の延床面積の確保と空地面積の増加が可能であることを示せたが,構造制限のある手法では個別更新は困難であり,手法の規制緩和の必要性を示した。上池田では,空地・空き家の有効利用,緑地の回復,避難場所の確保等の住環境の改善と,接道不良住宅の解消などの密集市街地の問題解決を同時に行うことができることを示した。
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