2007 Fiscal Year Annual Research Report
擬ギャップ系ホイスラー化合物の電力物性と熱電変換材料への応用
Project/Area Number |
17360311
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
西野 洋一 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50198488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 一雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70154705)
井手 直樹 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (60262945)
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Keywords | ホイスラー化合物 / 擬ギャップ / 熱電材料 / ゼーベック係数 / 電気伝導 / 熱伝導 / サイト選択 / 電子濃度効果 |
Research Abstract |
擬ギャップ系においてフェルミ準位を巧みに制御して優れた熱電特性が発現することを明らかにするために,Fe_2VA1における置換元素のサイト選択性を考慮して第四元素で部分置換した擬二元合金について,ゼーベック係数と電気抵抗の温度依存性を系統的に測定した。さらに,熱伝導率の測定も行い,新しい熱電材料としての可能性を追究した結果,以下の知見を得た。 1.Fe_2VA1のFeとVを化学量論組成からずらし,さらにFeをIrで部分置換した合金では,ゼーベック係数が最大で-180μV/Kと大幅に増大した結果,性能指数は8×10^<-4>K^<-1>という大きな値になった。これは,化学量論組成からずらすことでフェルミ準位付近の状態密度曲線の形状が変化し,さらにIrで部分置換したことにより,フェルミ準位が状態密度のエネルギー勾配のより急峻な位置にシフトしたためと考えられる。 2.二元素同時置換合金Fe2(V1_x_yTi_xTa_y)A1において,電気抵抗率が大幅に減少すると同時に,ゼーベック係数は最大で90μV/Kにまで増大した。さらに,熱伝導率は11W/mKまで低下しており,性能指数は3x10^<-4>K^<-1>にも達した。これはTi置換合金の約3倍の性能であり,Fe_2VA1系p型熱電材料としては最高性能が得られた。二元素同時置換により熱伝導率を効果的に低減させることができるので,性能指数の向上に有効な方法である。 3.ホイスラー化合物Fe_<2-x>Co_xTiA1において,ゼーベック係数の符号はx=1付近で正から負に変化しており,擬ギャップ系の特長を示す。しかし,バンド計算により状態密度から予測したゼーベック係数は-240〜110μV/Kであるのに対し,実測値は-40〜30μV/Kにとどまっている。この原因を光電子分光測定により調べた結果,規則度の不完全性が一因で擬ギャップがつぶれていると推測された。
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Research Products
(19 results)