2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスへのナノイプリント技術の確立と超機能ガラスの創製
Project/Area Number |
17360320
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 護 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20174998)
|
Keywords | ナノインプリント / ガラス / 表面 / 薄膜 / 機能改質 / 構造 / 酸化物 |
Research Abstract |
酸化物ナノパターン構造を鋳型として用いて、大面積に一括でパターニングを行えるナノインプリント法によりバルクの酸化物ガラスの表面にナノ凹凸パターンを形成することに成功した。この酸化物ナノパターンは、原子ステップを持つ超平坦サファイア(0001)基板上にエピタキシャル成長した薄膜を、ポストアニーリングを行うだけという簡便かつ1ステップのプロセスにて、その薄膜の表面全体に基板の原子ステップに起因した数nmの深さと30nmの幅を有するナノスケールの直線状溝構造を、自己組織化的に形成する。このようなに自己組織化的なナノ構造形成を利用して、基板のウェハーレベルでの大面積ナノパターンを形成することが可能になる。加えて、この酸化物の鋳型は、酸化物ガラス転移温度付近の高温においても安定で、機械的強度も強く、また酸化物ガラスと熱膨脹係数も近いため、ガラスをナノインプリント加工するための鋳型として鋳型の耐久性の観点からも、非常に優れていた。一般的にインプリント加工の行われているポリマーと比較してガラス転移温度の高い、ほう珪酸ガラス上にも、酸化物ナノパターン鋳型を用いたナノインプリント法により、ガラスの表面にナノパターンを精度よく転写する事に成功した。このようにして作製したナノパターンを持ったガラスを、薄膜堆積用基板として用い、その上に種々の酸化物薄膜を堆積したところ、鏡面研磨ガラス基板上に作製した薄膜に比べ、結晶配向性が変化し、電気伝導の異方性を示すことを見出した。このように、ガラスの表面にナノパターンを持たせる事により、通常のガラスとは異なる性質を導くことができる可能性が示された。
|