2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱エネルギー反射機能を持つ全方向・広波長対応複合耐熱コーティングの提案と実証
Project/Area Number |
17360330
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香川 豊 The University of Tokyo, 国際・産学共同研究センター, 教授 (50152591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, 主幹研究員 (60343844)
長沼 環 独立行政法人物質・材料研究機構, 研究員 (40391213)
内藤 公喜 独立行政法人物質・材料研究機構, 主任研究員 (70421394)
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Keywords | 複合材料・物性 / セラミックス / コーティング / 機能 / 表面 / 耐熱性 / 光反射 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成18年度までに得られた成果をもとに,本年度は総合的なパフォーマンスを調べ,本研究で得られた新しいコーティングの可能性を提案することを目指した。また,コーティングに用いる材料系の範囲を広げ,ZrB2などの超高温セラミックス材料も対象とした。特に,ZrB_2ではコーティング材料としての特性を把握するために熱的特性や機械的特性の測定も行った。さらに,コーティング層と基材の接合性の評価手法についても検討した。得られた成果は下記の通りである。 (1)熱エネルギーを反射できることの証明:Al_2O_3とTiO_2をコーティングしたセラミックスの反射光や透過光スペクトルを測定した。サーモグラフィでの測定では赤外波長の測定をしていることに対応しているので,熱反射率との比較検討も行った。この結果,セラミックスの反射光スペクトルは積層材料の構成に大きく影響されることが明らかになった。最適な構造を持っものでは,高温下でコーティングを施していないものに比較して20%以上の熱エネルギー反射能カがあることが確認された。 (2)新規コーティングとしての可能性の提案:最適な複合コーティング層とAl_2O_3/Al_20_3基材との密着性,耐熱衝撃性等を調べ,長時間高温熱暴露などの熱エネルギー反射機能に及ぼす影響を調べた。その結果,長時間高温熱暴露により,異種酸化物層間界面で拡散現象が生じる問題点も明らかになった。この問題については,コーティングの使用温度を考え選択することが必要であった。 (3)基本設計の汎用化:本研究で用いる積層構造及びうねりを持つ積層構造を計算機によるシミュレーション手法を用いて解析した。その結果を,表面構造に汎用性のある形で整理した。この手法を用いると,うねりの形状と材料特性から熱反射機能を推定できることを確認した。 (4)Z_rB_2系の材料が表面コーティング材料として有望であることが明らかになった。また,基材とコーティング層問界面の接合性を調べる手法についても基礎検討を行った。
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Research Products
(4 results)