2005 Fiscal Year Annual Research Report
顕微高速赤外線カメラを利用した複合材料界面熱伝達評価装置の開発
Project/Area Number |
17360331
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 寿正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50101001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 淳子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20262298)
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Keywords | 熱拡散率 / 温度波 / 界面熱伝達 / 高速赤外分光イメージング / 赤外線サーモグラフィー / 複合材料 |
Research Abstract |
顕微高速赤外線カメラを利用した複合材料界面熱伝達評価装置の開発において、今年度は2種類の赤外線素子を用いて、複合材料の界面のイメージングを分子配向分布と界面熱伝達分布の可視化により求める手法の検討に着手した。リニアMCT(水銀・カドミニウム・テルル)アレイ検出素子(1X16)と、干渉計同期赤外顕微鏡自動ステージを装備し、高感度・高速性に優れる高速赤外分光イメージングシステムを導入し、空間分解能6.25ミクロンの界面近傍の各波数の二色比の二次元分布の描画を、光路系の最適化と解析手法の開発により可能とした。界面熱伝達分布のイメージングには、InSb(インジウム・アンチモン)のFPA検出素子(256X256)を用い、赤外線顕微レンズ(3ミクロンの空間分解能)、ハードディスクへ直接書き込む取込装置の製作(長時間録画)、ノイズ除去技術(2次元フーリエ変換)の導入により、温度波の伝播による位相遅れの空間分布の画像化の手法を開発した。これらの手法を、射出成形により作成したポリプロピレン(PP)/ガラスファイバー(GF)複合系に適用し、スキン・コア層界面、スキン層内の多層界面、PP/GF界面について、イメージング解析を行った。平行・垂直二色比(1166cm^<-1>・898cm^<-1>)の二次元分布は、スキン・コア層界面で配向は最も大きく、界面位置からコア層内部に向かって急激に1に近づくが、スキン層表面側第1層内では、内部に向かって配向は急激に上昇し、2層目との界面付近から、スキン・コア層界面に向かって、界面での不整合を経て、段階的に配向は上昇した。、熱拡散率と2色比の関係は、PP単独の系では良い相関を示したが、GF複合系の熱拡散率は、配向の影響を考慮しても、むしろ減少する傾向を示し、これは分子配向のみでは熱移動現象は説明できず、例えばPP/GF界面の熱伝達をさらに詳細に解析する必要があることを示唆する結果となった。
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Research Products
(7 results)