2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を制御したバルクコンポジット磁性材料の作製
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17360332
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 工学部, 教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将樹 同志社大学, 工学部, 助教授 (90271006)
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Keywords | 複合材料・物性 / 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / セラミックス |
Research Abstract |
高い飽和磁束密度(B_S)と優れた高周波領域での交流磁気特性を併せ持つ軟磁性材料として,高B_Sの金属磁性粒子を高電気抵抗率(ρ)を有する軟磁性フェライトにより絶縁した構造を持つ複合磁性材料の開発を検討した。今年度は、MgFe_2O_4フェライトおよびFeサイトを一部置換したMgFe_2O_4よりも電磁気特性の優れたMg(Fe_<1-x>Mn)_2O_4フェライトの高温下での塑性変形(高温クリープ特性)を調べた。 この塑性変形(クリープ特性)は、磁性金属粒子表面にフェライトをコーティングし、高温高圧下で緻密化する際に必要な基礎データである。測定試験はMgO、α-Fe_2O_3、MnCO_3を出発原料として1150℃および1200℃で仮焼し、ついでこれを粉砕、成形して大気中1300℃で焼成後、さらに高密度焼結体を得るため、(1250℃/2h/200MPa)の条件下でArガスを圧力媒体として熱間静水圧プレス(Hot Isostatic Pressing : HIP)処理した。クリープ試験はアルミナ製のナイフエッジを用いた4点曲げ法によって、温度1150〜1300℃、応力1〜20MPaの範囲で測定をした。いずれの焼結体においてもひずみ速度は応力にほぼ比例し(すなわち応力指数nは1)、通常の拡散クリープであること、ひずみ速度はMnの置換量が増えるにつれて増加することが示された。測定温度が上昇するとともに、特に1200℃程度の温度から、フェライト焼結体表面の個々の粒子内に転位の移動が起こったことを示すすべり帯が観察された。また、x=0.2組成におけるクリープ変形過程の活性化エネルギーは460kJ・mol^<-1>と算出された。 高電気抵抗であるMgフェライトも塑性変形(クリープ)すること、Mnを置換することで他のフェライト(NiZnやMnZnフェライト)に近いひずみ速度とすることができ、金属-フェライト複合材料のフェライト材料として有用であることが確認された。
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Research Products
(1 results)