2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を制御したバルクコンポジット磁性材料の作製
Project/Area Number |
17360332
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 Doshisha University, 理工学部, 教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将樹 同志社大学, 理工学部, 准教授 (90271006)
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Keywords | 複合材料・物性 / 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / セラミックス / 界面 |
Research Abstract |
近年電子機器の小型・薄型化が急速に進行し,かつ情報処理速度の向上のため,軟磁性材料では高周波領域においても使用できるよう,高電気抵抗で高磁束密度・高透磁率を有する材料が求められている.金属磁性材料は磁気特性が優れているが,電気抵抗が低いために高周波領域では使用できず,一方,フェライト酸化物は飽和磁束密度B_sおよび透磁率μは金属よりも低いが,電気抵抗率ρが高いため高周波領域での磁気損失が少ない.しかし,単一相のバルク磁性材料で上記の要求をすべて満足するものは見当たらない.そこで本研究では,高飽和磁束密度の金属磁性材料としてFe-Ni合金(FeNi=53/47mass%)を,さらに周波数f〜10MHzにおいても使用出来るように,微小粒子径の水アトマイズ粉を採用した.金属と酸化物フェライトに塑性変形能と磁気特性の点から,電気的絶縁層を形成すう磁性酸化物にはスピネルフェライトの中で最も高い電気抵抗率と化学安定性の高いMg系フェライト(MgFe_2O_4)をとりあげた. 直径約4.7μmのFe-47Niパーマロイの水アトマイズ粉に,MgO/α-Fe_2O_3=1:1モル比の微粒子混合原料粉を均一にコーティングし,これを等方圧下で高密度に成形し,さらにカーボン性のモールド・プランジャーを用いてパルス放電加圧法(PECPS)により,昇温速度100℃min^<-1>,800℃-30MPa-3minの条件で焼結し,作製した緻密な焼結体を再度低温で粒界層のみを酸化処理することで,Mg:Fe_2O_4/Fe-47Ni相のみから構成された相対密度≧98-99%の緻密なコンポジットを作製できることが分かった.飽和磁束密度は予想どおり1.26T,透磁率はμ〜15-30(周波数1MHz),キューリー点は460℃以上であった.しかしながら透磁率はまだ低く,改善する余地は多く残されている.
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Research Products
(1 results)