2006 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
17360343
|
|---|
| Research Institution | Kumamoto University |
|---|
Principal Investigator |
西田 稔 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (90183540)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 能人 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (30250814)
森園 靖浩 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (70274694)
山崎 倫昭 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助手 (50343885)
松田 光弘 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (80332865)
山内 清 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (70375202)
|
|---|
| Keywords | 低温超弾性合金 / 高信頼性中・高温形状記憶合金 / β-Ti合金 / 逆位相界面 / 液体急冷 / 粒界工学 / 粒界方位制御 / 構造ユニットモデル |
|---|
| Research Abstract |
本研究では以下の4つの機能に特化した形状記憶・超弾性合金の開発を目的とした.
1)加工性,成形性,繰り返し特性をも考慮した低温超弾性Ti-Ni-X系合金.
2)マルテンサイト時効やセラミックス粒子分散等の新しい組織制御法によって強化した高信頼性中/高温形状記憶・超弾性IVa(Ti,Zr,Hf)-貴金属(Pd,Pt,Au等)系合金.
3)高加工性医療用形状記憶・超弾性β-TiおよびZr系合金.
4)Ti-Ni合金の特性改善と同合金に匹敵する特性を持つ新規形状記憶合金.
目的1)に関しては17年度に引き続き基礎研究となるNi過剰Ti-Ni合金時効材の多段階R相およびマルテンサイト変態の発現に及ぼす熱処理雰囲気の影響を調べ、変態サイトの特定を行なった.目的2)についてはTi過剰Ti-Pd合金の液体急冷リボンを作製し、Ti-35at%Pd合金が優れた機械的性質を示し、さらに冷却速度と変態温度の関係を調べ冷却速度の増加に伴い母相が安定化されることを見出した.また、リボン中に見られるB2規則相の逆位相界面の微細構造解析を行った.目的3)については17年度に開発したTi-Mo-Sn合金の加工性の改善を目的として結晶粒微細化を試み、希土類元素の添加が有効であることを明らかにした.しかしながら、β-Zr系合金においては形状記憶および超弾性発現の素過程であるα"マルテンサイト変態の存在を確認するには至らなかった.目的4)に関しては17年度に創製に成功した粒界制御合金を用いて、Σ3,Σ9,Σ11,Σ27<110>対称傾角粒界の高分解能透過電顕観察を行ない,粒界の原子配列を構造ユニットモデルにより解析した.また、Co-Zr-Ni合金において熱弾性マルテンサイト変態と優れた延性の発現を確認した.
|
