2006 Fiscal Year Annual Research Report
ロックオン型レーザ局所加熱法による材料組織情報の書き込み・読み出し技術の開発
Project/Area Number |
17360353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴柳 敏哉 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10187411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (90273713)
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Keywords | ファイバーレーザー / 局所加熱 / 工業用純アルミニウム / Al-3Mg合金 / 再結晶 / 粒成長 / 高純度アルミニウム / 集合組織 |
Research Abstract |
レーザー光の焦点位置での集光径を実測値で約5ミクロンまで小さくするシステム改良を行った。改良型レーザー照射システムを用いて、工業用純アルミニウム(A1050-H24)、高純度アルミニウム(99.99%)ならびにAl-3mass%Mg合金の3種類の板材に対する局所加熱実験を施した。冷間圧延材についてはいずれの材料においても100ミクロン径以下の領域に再結晶粒組織を作り出せることを確認した。これら再結晶粒は体積的優位性を保ったまま、その後の均一温度場での追加焼鈍においては他の再結晶粒に侵食されることなく成長を続けることを確認した。すなわち、本法は任意の位置に再結晶粒を作り出せて、それら再結晶粒が均一焼鈍処理において優先的に成長し、通常の熱処理法では得られない結晶方位分布を実現できることになる。 粒成長は高純度アルミニウムでは制御できないほど短い時間で粗大化が生じたが、Al-3Mg合金になると、単一結晶粒の優先成長は実現できなかったが、100〜200ミクロン径程度の円形領域内での優先粒成長現象を世界で初めて実現できた。 局所組織状態を制御・変化させることを目的として、摩擦攪拌接合実験を実施し、2024-T3アルミニウム合金板の局所領域における組織状態の特徴を調べた。結晶粒径の効果的な減少効果に加えて、析出物の存在状態の変化を反映した硬さ分布の変化を確認することができた。SEM-EBSP解析の結果、攪拌領域の一部に層状に方位分布が変化する領域が存在することを発見した。この領域への局所加熱は摩擦攪拌処理により作り出された特異な組織をさらに助長する効果があると考えられ、本研究で目指している局所状態に組織情報を書き込む技術開拓のための重要な基礎的知見であると考えている。
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Research Products
(5 results)