2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラピッドプロトタイピングを応用した金属部品の迅速作製技術の開発
Project/Area Number |
17360356
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
香川 明男 Nagasaki University, 工学部, 教授 (00093401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貝 猛 長崎大学, 工学部, 准教授 (60253481)
水本 将之 長崎大学, 工学部, 助教 (90325671)
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Keywords | 迅速作製技術 / ニアネットシェイプ / 溶融紡糸堆積法 / アルミニウム合金 / マグネシウム合金 / 積層造形 |
Research Abstract |
FSD法により大型の金属部品を作製するために、ノズル駆動型FSD装置を製作した。このとき、合金溶解部とノズル部を繋ぐ溶湯搬送部および各パーツの接続部の構造の最適化のために、合金溶解部とのコネクタ部、合金搬送部およびノズル部をそれぞれ試作して、それらを相互に接続したものを用いてアルミニウム合金溶湯の流出実験を行った。ノズル部を可動とするためには、発熱体により溶湯の温度を保持しつつ、溶湯搬送部には柔軟性が求められる。そのため、当初はカーボンテープによりチューブを作製し、発熱体で覆った構造としたが、カーボンテープの隙間およびコネクタやノズル部との接続部からの溶湯の漏れを防ぐことができなかった。そこで、市販のステンレス製フレキシブルチューブを発熱体で覆った構造に改善したところ、これらの問題を解決することができた。また、これまではアルミニウム系合金を用いて研究を行ってきたが、近年需要が増大しているマグネシウム系合金についても、FSD法による金属部品の作製を行った。マグネシウム合金は活性な金属であるため、流出時の発火の可能性が懸念されたが、安定して溶湯を連続的に流出させることにより、積層材を作製できることがわかった。しかし、アルミニウム系合金で得られたような安定した形状の金属部品を作製するための積層条件については、未だ検討の余地があり、今後のより詳細な研究が必要である。さらに、流体力学的な観点から、FSD法における合金溶湯の流出の安定性について検討した結果、従来の比較的弱い圧力で合金溶湯を流出させた場合は、溶湯表面に大きな揺らぎが生じ、製品形状の不安定性化につながるが、強い圧力で流出させた場合は、溶湯表面には揺らぎがほとんど見られず、安定した積層条件が得られることがわかった。以上の結果から、FSD法による精密かつ大型の金属部品の製作のために必要な基礎的知見を十分に得ることができた。
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Research Products
(3 results)