2008 Fiscal Year Annual Research Report
耐酸性のあるフッ化物皮膜形成によるMg合金の表面改質
Project/Area Number |
17360359
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 厚之 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (70220449)
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Keywords | マグネシウム合金 / 表面改質 / 耐酸性 / 微細組織 |
Research Abstract |
本年度は研究実施期間の最終年度であり,これまでの結果をまとめるとともに,新たな手法の試行を行った.主な結果は以下の通りである. (1)フッ化処理を行うための溶融塩ルツボとして,軟鋼製のものとアルミナ製のものとで皮膜処理後の耐食性が異なることを報告してきた.SEM-EDXにより腐食試験前後の試料の分析を行ったところ,予測通り,軟鋼製ルツボを使用すると皮膜中にFeが混入することが明らかとなった.アルミナルツボを使用して作製した試料のクロスカット部では,糸状腐食が生じていないことも明らかとなった.やはりFeとMgで局部電池を構成することを抑止すれば耐食性は向上することを示し得た. (2)溶融塩浸漬処理の温度を下げることを目的として,フッ化すずを溶融させて同様な処理を行った.しかし,良好な被膜は形成されなかった.酸化しやすいため,溶融状態にすると表面から変質することが原因と考えられる.また,不十分ではあるが,皮膜が形成された資料について塩水浸漬試験を行った.しかし,耐食性は向上しなかった. (3)フッ化物から離れて,溶融させたSn-Zn合金に試料を浸漬して被膜形成を試みた.金属光沢のある皮膜が得られたが,耐食性は改善されなかった. (4)フッ化処理を施した試料の断面組織を詳細に観察した結果,表面からNaMgF_3層,MgF_2層の順に形成されることは以前に示した.今年度,さらにその下に2層の組織が形成されていることを見いだした.耐食性に対する影響は不明のままで最終年度となった.
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Research Products
(9 results)