2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化鉄一炭素カップリング反応のその場観察と活性反応種の同定
Project/Area Number |
17360364
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 邦宜 北海道大学, 名誉教授 (00001214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏谷 悦章 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10169435)
木下 博嗣 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (40177895)
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Keywords | 炭素還元 / EBSP / 結晶方位 / ヘマタイト / マグネタイト / カップリング反応 |
Research Abstract |
高炉プロセスの高速化・低温化に関する研究は、鉄鋼産業におけるエネルギー消費量の削減に対し重要な役割を持っていることが認識されるようになってきた。その理由として、炭材内装原料などに存在する酸化鉄と固体炭素の直接反応が、高速で、かつ低温から始まることによる。本研究では、その初期段階における反応を直接観察し、反応メカニズムと結晶方位関係を明らかにすることが目的である。 ヘマタイトの表面に炭素蒸着を施した後、赤外イメージ炉を有するレーザ顕微鏡を用いてAr雰囲気下1000℃まで昇温し、その反応の様子を直接観察した。実験は炭素蒸着をそれぞれ20nm,60nm,300nmと3段階に変えて行った。還元反応は、およそ650℃と低温から開始することが分かった。また、反応は高速で進行し、蒸着量が20nm,60nmの試料については反応開始から20〜30秒で炭素が無くなり反応が終了した。蒸着量を300nmと厚くした場合、生成したCOガスにより蒸着した炭素層が大きく押し上げられバブル状変形することがわかった。また中にを閉じこめられたCOガスによりカップリング反応が進行しているものと考えられる。 300nm炭素蒸着試料の実験後のラマン分光分析結果から、表面に生成した組織はFe_3O_4であることがわかった。反応前後のSEM・EBSP観察結果から、針状組織は、母相の結晶方位と一定の関係を保って生成していることが分かった。その関係は、 (0001)_H‖(111)_M [11^^-00]_H‖[11^^-0]_M であることが確認された。
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Research Products
(5 results)