2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化鉄-炭素カップリング反応のその場観察と活性反応種の同定
Project/Area Number |
17360364
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏谷 悦章 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10169435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 邦宜 北海道大学, 名誉教授 (00001214)
木下 博嗣 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40177895)
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Keywords | カップリング反応 / カップリング反応の定量化 / 炭素-酸化鉄直接反応 |
Research Abstract |
本年度は、炭素-酸化鉄のカップリング反応のその場観察を実現するべく新しい実験を行い、種々の新知見を得た。(これらの結果は現在論文誌に投稿すべくまとめていることころである。) 実験は、以下の手順で行った。 (1) 炭素イオンをヘマタイトに注入 (2) XPSによってアルゴンスパッタしながら、Fe-C-O間の結合状態を深さ方向で測定 (3) 炭素イオン注入したヘマタイト試料を高温レーザー顕微鏡付属の電気炉中に設置し、1000℃まで昇温しながら、ヘマタイトと注入された炭素の反応をその場観察した。 これらの実験によって、Fe-C-O間の結合状態は表面から徐々に変化し、表面から約1μmまでは、C-Cの結合が多いことがわかった。さらに深いところでは、還元反応の前段階と考えられるC-O,またはC=Oの結合が相対的に多くなる。2μm以上の深さでは、Fe-Cの結合の割合が増え注入された炭素は、酸素Oよりも鉄Feと比較的強い結合を有しているものと考えられる。 また、炭素注入されたヘマタイトの昇温過程におけるその場観察の結果では、かなり低温(450℃前後)から生起するヘマタイト結晶の再配列に起因する表面平準化挙動、約650℃以上から生起するFexOy-Cの直接反応に起因するガス発生と表面の変動などが観察された。これらの挙動は再現性が乏しく、SEM観察などによる比較的低エネルギーの電子線照射によっても変化しうる不安定な状態に対応しているものと考えられる。
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Research Products
(2 results)