2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨外CO2・金属イオン溶液系液膜のナノエレクトロプレーティングに関する研究
Project/Area Number |
17360367
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮田 清蔵 東京農工大学, 大学院・工学教育部, 特任教授 (90015066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (60015120)
池田 浩治 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助教授 (50251492)
曽根 正人 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30323752)
|
Keywords | 電気めっき / ナノ組織金属 / 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 機械的強度 / 耐摩耗性 / 硬度 / 面粗度 |
Research Abstract |
本申請者らは、超臨界二酸化炭素が電解質溶液とは混合しないが少量の界面活性剤を添加することによりエマルジョン化可能であることを見いだした(特許JP3571627)。このエマルジョン化により液面が上昇し、系全体が通電し、プレイティングが均一に行われることを発見した(Chem.Lett.,1086-1087,(2002))。この方法は超臨界流体技術とめっき技術を融合させたものであり、ゼロエミッション型超臨界ナノプレーティングシステム(ZSNP)と命名した。ZSNP法により得られたニッケル金属皮膜は従来のめっき法で作製された膜と異なり、ピンホールが無くレベリングも高く、更に金属粒径が10nmと非常に細かく緻密であり硬度も高いことが明らかとなっている。 本年は、このZSNP法により得られる皮膜の硬度の特殊性を、申請したサファイアガラスで可視化した高圧容器を設計し、超臨界流体エマルジョン場に微細な端子を入れミリ秒単位の電流を計測すると同時に、この測定で得られた皮膜を電子顕微鏡で観察し、この特異な電気化学反応場と得られる皮膜の相関を明らかにすることを計画・実行した。この結果、超臨界流体エマルジョン場を通る電流値の振幅が、析出金属の粒界の大きさと相関があることが明らかとなった。この結果により、12nmから9nmまでの析出金属粒界制御が可能となった。 本年は更に、メッキ皮膜における粉体吹き付けによるアブレシブ摩耗を研究した。ガラスパウダを吹き付けた表面の算術平均粗さを10カ所で測った結果、ZSNPにより作製しためっき皮膜は従来方式のめっき皮膜と比較すると平均値はほぼ同じであったがばらつきが0.2μmと約半分であった。これはZSNPにより作製しためっき皮膜が従来方式のめっき皮膜よりも均質性を有するものと考えられる。ただし、粉体の粒径、硬度、形状によっては下地を含めてミキシングされている場面もあり、さらに詳細な検討が必要である。
|