2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ非平衡構造を有する窒素吸収材料を用いたケミカル真空ポンプの開発と基礎物性
Project/Area Number |
17360369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 慶一 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30184550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 英之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80362573)
山末 英嗣 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (90324673)
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Keywords | メカニカルアロイング / リチウム合金 / 窒化 / 酸化 / 真空ポンプ |
Research Abstract |
窒素吸収材料に関して、室温で窒素と反応するLiをベースに、さまざまな金属、酸化物をメカニカルアロイングを行い、その窒素吸収特性に関して評価した。また、窒素以外に酸素吸収特性を評価し、空気を吸収するケミカル真空ポンプとしての可能性を調査した。さらに、空気中に1%存在するアルゴンについてはゼオライトをモディファイした物質について、そのアルゴン吸収特性について検討した。その主な成果は以下のとおりである。 金属元素である、Al,Si,Fe,CuとLiをメカニカルアロイングしたところ、Alについては化合物が形成し窒素吸収特性は示さなかった。Siについては一部化合物が形成したが窒素吸収特性を示した。固溶体を作らないFe,CuについてはLi単体に比べて早い窒素吸収を示した。これは窒化リチウムの合成反応によるものであるが、反応速度はリチウムの微細化と表面活性によるものである。また、Fe,Cu共に一部固溶体を作った。これらの合金について酸素吸収特性を測定したが、顕著には反応しなかった。これは酸化膜中には酸素が拡散しにくく反応が著しく遅いためであることが推測される。 次に、酸化物であるアルミナ、マグネシア、カルシアとのメカニカルアロイングであるが、いずれにおいても顕著な反応はなく、リチウムが微細に混合した粉末状の試料を得ることが出来た。これらの合金について窒素吸収特性を測定したところ著しく反応し窒素を吸収した。さらに、アルミナ系においては酸素吸収も示した。アルミナ系について空気との反応を調べたところ、大気圧の空気と反応し約2分で100分の1まで減圧した。また、ゼオライトを調べたところ一気圧のアルゴンをわずかに吸着することが確認された。以上を組み合わせることにより、ケミカル真空ポンプを構成できる可能性があることが分かった。
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Research Products
(2 results)