2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体認識機構と移動現象を考慮したクロマトグラフィープロセスの構築
Project/Area Number |
17360375
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 修一 山口大学, 工学部, 教授 (80144921)
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Keywords | クロマトグラフィー / 組換タンパク質医薬品 / ハイスループット / イオン交換クロマトグラフィー / モノリス / 生体認識 |
Research Abstract |
クロマトグラフィーは、組換タンパク質医薬品製造において非常に重要な分離プロセスであるにもかかわらず、依然として経験に基づいた設計と操作が中心である。その分離原理は生体認識に基づく移動速度差であるが生体認識と物質移動は独立ではなくリガンド結合力やその分布、溶質、細孔構造も溶質の吸脱着拡散速度に大きく影響する。複数の相互作用が協調的に働いたり、構造変化が生じたりすると一層複雑となる。本研究では、生体認識機構と移動現象を同時に解析し、種々の精密な相互作用解析とともに、その結果を反映するモデルを開発する。また最適分離プロセスを設計するためのデータを迅速に大量に取得できる方法についても検討する。これらのモデルから最適なformatや新規充填剤の設計も可能になる。本年度の研究成果は、下記のとおりである。 1)構造変化をともなうタンパク質の分離特性unfold状態のタンパク質のイオン交換クロマトグラフィーの結合状態について既に開発したモデルで解析した。Nativeタンパク質との溶出の順序は一定ではなかったが、結合サイト数はnativeよりは大きな値であった。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析結果ではunfoldは大きな構造となっていた。Polyethylene glycolによる修飾により、電荷遮蔽効果が顕著となり、保持は非常に弱くなった。SEC分析ではみかけ分子量は増大した。 2)モノリス型クロマトグラフィー充填剤を固定化した96wellマイクロプレートによる、ハイスループットシステムを構築した。カラムデータとほぼ対応するデータを取得することができた。
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Research Products
(1 results)