2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体認識機構と移動現象を考慮したクロマトグラフィープロセスの構築
Project/Area Number |
17360375
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 修一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80144921)
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Keywords | クロマトグラフィー / 組換タンパク質医薬品 / ハイスループット / イオン交換クロマトグラフィー / モノリス / 生体認識 / DNA / PEG |
Research Abstract |
クロマトグラフィーは組換タンパク質やDNAなどの医薬品製造において非常に重要な分離プロセスであるが、経験に基づいた設計と操作が中心である。本研究では、クロマト分離に重要な役割を果たしている生体認識機構と移動現象を同時に解析し、その結果を反映するモデルを開発する。 これらのモデルから最適なクロマトプロセスのみならず新規充填剤の設計も可能になる。 本年度の研究成果は、下記のとおりである。 1)DNAのイオン交換クロマトグラフィー分離溶出挙動 DNAの塩基数が10以下の単一鎖では結合サイト数はほぼDNAの荷電と対応していた。また溶出塩濃度も直線的に増加した。さらに塩基数が大きくなると結合サイト数も溶出塩濃度もじょじょに頭打ちになった。非常に巨大な二重鎖DNAの分離は困難であるがモノリスの特性である流速に依存しない分離性能を利用することにより非常に緩い塩濃度勾配溶出により分離できることを明らかとした。 2)構造変化をともなうタンパク質の分離特性 尿素変性したンパク質は未変性タンパク質よりイオン交換クロマトで早く溶出された。これは誘電率の上昇と電荷クラスターが消失したことによる。Polyethylene glycolによる修飾は電荷遮蔽効果を引き起こし保持が弱くなり結合サイトも減少した 3)モノリスクロマトdiskを固定化した96wellマイクロプレートによる、ハイスループットシステムを構築した。カラムデータとほぼ対応するデータを取得することができた。
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Research Products
(3 results)