2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャンネルを用いる重力非依存・可搬型化学プロセスの構築と特異反応系の実現
Project/Area Number |
17360378
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Research Institution | FUKUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
諸岡 成治 福岡大学, 工学部, 教授 (60011079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仮屋崎 侃 福岡大学, 工学部, 教授 (10078652)
前田 英明 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, マイクロ・ナノ空間化学グループリーダー (60238871)
山崎 吉一 福岡大学, 工学部, 助手 (20122757)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 流体工学 / 触媒・化学プロセス / 反応・分離工学 / 熱工学 |
Research Abstract |
1.前年に引き続いて以下の項目につき研究を行った。 (1)渦巻き型のチャンネルを用いて遠心力を発生させ、出口で液体と固体粒子を分離する場合につき、固液分離効率に及ぼす重力の影響を調査し、安定に液固分離ができる条件を明らかにした。 (2)マイクロチャンネルの表面処理法を開発し、濡れ性の制御法を調査した。 (3)ガラスとシリコンウエハを組み合わせ、同一パターンのマイクロチャンネルの壁面を疎水性および親水性に修飾して構成した異なる表面濡れ性を有するマイクロチャンネルに、互いに混じり合わず、異なる密度を有する2種の液体を上下に供給して、液体の密度と接触角が流れの安定性に及ぼす影響を調査した。 (4)ナノサイズの蛍光粒子を、マイクロチャンネルを用いて合成し、マイクロチャンネルにおける温度特性が、生成した粒子の蛍光特性に及ぼす影響を明らかにした。 (5)マイクロチャンネル壁に酵素を異なる方法で固定化し、固定化法が酵素反応速度に及ぼす影響を実験的に明らかにした。 2.さらに以下の項目について研究を行った。 (1)マイクロチューブを用いてヒートパイプを構成し、温度分布を付けたときに各成分が分離する状態を計測した。これによって重力にとらわれない蒸留ベース分離操作を開発するためのデータを得た。 (2)マイクロチャンネルにおける蛍光粒子の製造過程を、核の生成、核の成長に分割し、粒度分布に及ぼす温度と濃度の影響を明らかにして、蛍光スペクトルが極めて狭い粒子を製造した。これによって急速伝熱マイクロリアクタにおける蛍光粒子の粒度分布制御法を明らかにした。 (3)熱容量が小さい特長を生かした触媒マイクロリアクタを開発した。 (4)プロセスシミュレータおよびCADを用いて、マイクロチャンネルから構成される可搬型化学プロセスの設計法とマイクロチャンネルにおける重力の効果について検討した。
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Research Products
(3 results)