2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元構造を制御したポリマー多孔質体の生成機構の解明と細胞培養担体としての評価
Project/Area Number |
17360381
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
仁志 和彦 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 講師 (20262412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上ノ山 周 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50233945)
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40334635)
渡邉 昌俊 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90273383)
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Keywords | 高分子合成 / 超臨界流体 / 反応・分離工学 / 細胞・組織 / 化学工学 |
Research Abstract |
本研究では超臨界二酸化炭素を重合溶媒に用いたポリマー多孔質体生成において、生体適合性ポリマーを対象に多孔質体生成機構を定量的に解明し、それに基づく3次元構造を制御した多孔質体を作製する手法の確立を目指す。 (1)多孔質体の3次元構造制御 本年度は比較的良好な生態適合性をもち、重合反応に関する諸データが得られやすいスチレン、メタクリル酸メチルを対象に超臨界二酸化炭素中の架橋重合を行い、多孔質体の3次元構造制御に関して検討した。重合速度、圧力、温度、重合試薬濃度を変えた重合を行い、多孔質体粒径、1次粒子径、比表面積、細孔径分布等の多孔質体の3次元構造との関係を明らかにした。 (2)多孔質体生成機構の解明 多孔質体生成機構に影響を及ぼす因子として超臨界二酸化炭素の溶媒特性、すなわち、重合により生成するポリマーに対する溶解度に着目し、ポリマーの析出・多孔質化の過程についての検討を行った。 重合液中からポリマーが析出を開始するまでの時間を、暗転時間として定義し、重合速度を暗転時間から算出される、生成ポリマー析出時の溶解度を定量的に明らかにし、各種重合条件が溶解度の与える影響、さらには溶解度変化が多孔質体の一次粒子径、空隙率に及ぼす影響を明らかにした。 (3)多孔質体多孔質体を用いた生物細胞培養とその評価 ポリマー多孔質体を担体とした、動物細胞培養のための培養条件の選定、およびその性能評価のための固着率、増殖速度を測定する方法を決定した。 (4)ポリマー多孔質体の精製に関する検討 多孔質体の細孔、ポリマー基質に迅速に拡散、含浸する超臨界二酸化炭素の特性を活かした未反応重合試薬の抽出分離に関する実験装置の作製を行った。
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