2006 Fiscal Year Annual Research Report
Bサイト規則化ペロブスカイトの合成、構造と触媒機能に関する研究
Project/Area Number |
17360390
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (70163904)
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Keywords | ペロブスカイト型酸化物 / 規則化構造 / 触媒活性 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型酸化物は、触媒を始めとする機能材料として極めて重要な化合物であるが、Bサイト金属イオンが規則的に配列したA_2B'B''O_6の一般式で表されるダブルペロブスカイトについての研究例は少ない。そこで、本研究ではBサイト規則化ペロブスカイトを系統的に合成し、規則化に由来する特性を触媒反応により評価することを目的とした。 AとしてBa, Sr, La、B'としてCo, Ni, Cu, Zn、B''としてW,Tiを含む系について詳細な検討を行った。B''=Wの場合は何れも岩塩型に規則化したダブルペロブスカイト構造をとり、Ba_2B'WO_6(B'=Co, Zn, Ni)では立方晶系、Ba_2CuWO_6およびSrB'WO_6(B'=Co, Zn, Ni)は正方晶系構造であった。一方、La_2B'TiO_6では、B'=Znの場合のみ明確な岩塩型規則化構造が認められ、これらの規則化構造の違いはB'とB''イオンの価数とサイズの違いでほぼ整理できた。 CoおよびWが炭素繊維合成反応の触媒になることから、Ba-Co-W-O系酸化物を用いてCH_4を原料とする炭素繊維合成を試みた。BaCoO_3、WO_3及びそれらの混合物では、900℃では前者の還元により生成するCo^0が触媒となり炭素繊維が生成したが、1000℃ではCo^0の凝集により生成量が低下した。一方、Ba_2CoWO_6では、繊維状に成長しないものの1000℃のほうが多く生成するなど、温度依存性や生成炭素の性状に差が認められ、ダブルペロブスカイト生成による耐還元性の向上や生成するCo^0の分散性の影響が示唆された。 一方、メタノールのH_2,COへの光分解反応に対してLa_2ZnTiO_6とTiO_2と比較したところ,TiO_2がH_2生成選択的であるのに対し,La_2ZnTiO_6がCO生成選択的で,ダブルペロブスカイト化に伴う光触媒特性の変化が認められた。
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