2006 Fiscal Year Annual Research Report
構造変化から見る生命エネルギー変遷の進化メカニズムとそれを利用した応用生物工学
Project/Area Number |
17360400
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 章夫 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授 (50205241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片柳 克夫 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20291479)
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Keywords | アデノシン三リン酸 / 生命エネルギー / ポリリン酸 / グルコキナーゼ / 耕造解析 / 進化 |
Research Abstract |
アデノシン三リン酸(ATP)は生命エネルギーの通貨と言われ、多くの酵素がATPをエネルギー源あるいはリン酸化の基質として利用している。我々はポリリン酸をリン酸化の基質として利用するポリリン酸グルコキナーゼ(PolyP-GK)を発見した。ATPグルコキナーゼ(ATP-GK)とPolyP-GKの一次耕造の比較からATP-GKは比較的小さなドメインを獲得してPolyP-GKから進化したものと考えられた。そこで、ATP-GKとPolyP-GKの立体構造を詳細に比較して、ポリリン酸を基質にする動作原理と、ポリリン酸からATPへ変化した生命エネルギー変遷の進化メカニズムを解明することを目的とした。スプリング8においてPolyP-GKの結晶を解析し、得られた回析像から構造解析を行った。ポリリン酸グルコキナーゼ(PolyP-GK)の構造とATPグルコキナーゼ(ATP-GK)と構造比較を行った結果ATP-GKとPolyP-GKの立体構造は基本的によく似ていたが、基質が結合するドメインII領域(アデノシン認識領)の有無が最も大きい違いであった。さらにポリリン酸とATPの両方を利用するグルコマンノキナーゼ(PolyP/ATP-GK)との立体構造を詳細に比較した結果、基本的な骨格はほぼ同じであるが、PolyP-GKには非常にポジティブな電荷が連続したユニークな領域が見られた。おそらくこの領域がポリリン酸との結合を強く促進するのではないかと考えられた。
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