2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素移動型バイオ不斉還元プロセスの高機能化と触媒酵素のライブラリー構築
Project/Area Number |
17360402
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 伸哉 富山県立大学, 工学部, 教授 (90213066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 祥嗣 富山県立大学, 工学部, 助手 (20347355)
|
Keywords | バイオ不斉還元 / 光学活性アルコール生産 / バイオリアクター / 進化分子工学 / 有機溶媒耐性酵素 / メタゲノム / 遺伝子ライブラリー |
Research Abstract |
PARを進化分子工学的手法にて改良した変異酵素Sar268(6個のアミノ酸が変異)の6アミノ酸部位の全てについて、20種のアミノ酸による変異酵素を作製し、より活性が向上したHar1を得た。同酵素の機能解析を行った結果、明らかに極性溶媒中での活性が向上していた。極性溶媒中での酵素反応は、生体触媒反応の応用においてきわめて重要な研究であるが、これまでに、こうした酵素の改変成功例はほとんど見当たらない。現在、その機能を精査している。また、同酵素を触媒として利用することにより、高濃度のハロゲン化ケトン基質(酵素に対する阻害作用が強い化合物)(10-30%)でも100%収率で目的の光学活性体を合成できるレベルにまでに生産性が向上した。さらに、Sar268およびLSADH組換え酵素を菌体のまま2-官能性試薬を用いて固定化し、これらの生体触媒を用いて一部の水溶性の高いケトンの立体選択的還元プロセスを流動層型のリアクターで行う事に成功した。 PARならびLSADHは、広い基質特異性、高立体選択性、自身の反応で補酵素も再生できるという極めてユニークかつ優れた酵素であることから、類縁酵素遺伝子の土壌からの網羅的分離を行い、PARとLSADHの基質特異性が異なる酵素ライブラリーを構築目指した。先ず、土壌からのメタゲノムの単離技術を確立した、次に、PARのN-/C-末端の配列をプライマーとして増幅を行い、生成したDNA断片を解析した。しかし、この場合はPARと100%同じ遺伝子しか得られなかった。そこで、N-/C-両末端に近いPARの保存領域にプライマーを変更し、これらを縮重プライマーとして改めてPCRを行ったところ、メタゲノムを鋳型として明確なDNAの増幅が認められた。現在、その塩基配列の解析を行っている。PARの相同性遺伝子のライブラリー化には到達していないが、その周辺技術はほぼ完成しライブリー構築の目処がついた。
|
Research Products
(4 results)