2008 Fiscal Year Annual Research Report
水素移動型バイオ不斉還元プロセスの高機能化と触媒酵素のライブラリー構築
Project/Area Number |
17360402
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 伸哉 Toyama Prefectural University, 工学部, 教授 (90213066)
|
Keywords | バイオ不斉還元 / 光学活性アルコール生産 / バイオリアクター / 進化分子工学 / 有機溶媒耐性酵素 / メタゲノム / 遺伝子ライブラリー |
Research Abstract |
PARおよびLSADHは、様々なアリールケトンや2-アルカノン等の基質を不斉還元すると同時に、安価な2-プロパノールの酸化反応を触媒しNADHを再生することができる極めて有用な不斉還元バイオ触媒である。そこで、これら酵素の汎用性を高める目的で、各種基質ケトンに対する反応姓の確認と類縁酵素遺伝子の土壌からの網羅的分離を行い、PARとLSADHの基質特異性が異なる酵素ライブラリーの構築を目指した。 PARについては、相同遺伝子の内部共通配列部分を基に縮重プライマーを作成し、これを各種微生物(主にRhodococcusとその類縁菌)ゲノムやメタゲノムに対してPCRを行い、約60種のDNA断片(約950bp)の増幅に成功した.また、約30種の当該遺伝子のシークエンス解析を終了した。しかし、この部分をカセットとして導入し、PARのキメラ酵素として高発現させる方法を種々行ったが、活性を確認することができなかった。他方、PARの有機溶媒耐性変異株であるHAR1は各種ケトンに対して高効率での不斉還元が可能であることを確認し、立体選択性も含め非常に実用性が高いことが明らかとなった。 LSADH生産菌の類縁菌ゲノム情報を基にして単離した約30種のライブラリー(LSと命名)については、その基質特異性、立体選択性を測定した。その結果、LS-1,LS-7など数種の酵素が、LSADHが作用しないベンゾイルギ酸エチルを立体選択的に還元することが明らかとなった。またこれらの酵素の基質特異性は、明らかにそれぞれで異なっていることが確認できた。
|
Research Products
(5 results)