2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360403
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
上岡 龍一 Sojo University, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 技術員 (70369114)
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Keywords | リポソーム(複合脂質膜) / がん化学療法 / アポトーシス / 制がん効果 / 膜融合 |
Research Abstract |
1.リン脂質DMPCとPEG系界面活性剤C_<12>(EO)_n(n=4〜25)からなる複合脂質膜(HLn)のin vitroにおけるヒト乳がん細胞(MDA-MB-453)に対する増殖抑制効果を検討した。DMPCおよび界面活性剤単一に比べ、50%増殖抑制効果が1/2以下の低濃度で細胞増殖抑制効果を示した。さらに、アガロースゲル電気泳動、TUNEL法およびフローサイトメーターによる解析からアポトーシス誘導を明らかにした。アポトーシス誘導メカニズムの検討を行ったところ、HLnはがん細胞膜に融合・蓄積後、カスペース-3、8、9の活性およびミトコンドリアを経由し、DNAを断片化するアポトーシス誘導経路であることが明確になった。 2.ゲンタマイシン封入リボソームのDuchenne型筋ジストロフィーモデルマウス(mdxマウス)を用いた動物実験において、ゲンタマイシン封入リボソームの投与により筋繊維が回復する基礎的知見が得られた。また、mdxマウスを用いた体内動態試験において、臓器や骨格筋の種類によって蓄積量に違いがあり、組織特異性があることが明らかになった。特に、骨格筋においては壊死部位に顕著な蓄積が観察された。 3.リン脂質およびDMPCPEG系界面活性剤C_<12>(EO)_n(n=4〜25)を構成成分とする複合脂質膜(HLn)のがん細胞膜をターゲットとする制がんメカニズムについて検討したところ、次の注目すべき結果が得られた。(1)HLn自身の膜流動性と種々のがん細胞に対する増殖抑制効果に明らかな相関関係を見出した。HLnの膜流動性が多いほど11種の固形腫瘍細胞に対して高腫瘍活性が高いことを示した。(2)種々のがん細胞の膜流動性とHLnの抗腫瘍効果との直線的な相関性が得られた。より大きな膜流動性をもつ種々の固形腫瘍細胞ほど、HLnの細胞増殖抑制効果が高くなることを世界で初めて明らかにした。
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Research Products
(26 results)