2007 Fiscal Year Annual Research Report
階層モジュラー構造物の構造概念と力学特性に関する研究
Project/Area Number |
17360413
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
樋口 健 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (60165090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 直子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 招聘開発員 (60450714)
奥泉 信克 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (10321564)
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Keywords | 宇宙構造物 / 構造工学 / 幾何学 / 制御工学 / モデル化 / 階層構造物 / モジュール構造物 |
Research Abstract |
本研究では、将来のよりよい構造物システム構築のために、構造物に要求される基本的な特性を整理検討し、宇宙などの極限環境における大型あるいは複雑な構造物システムに対応できる階層モジュラー構造物の構造概念を提示して、その有用性を明らかにしてきた。 その概念に基づき構造物システムにおける時間的複合構造物としての要求に対応するために、モジュールを増殖させて構造物システムを構築する。具体的には、最初に幾っかのモジュールを組み合わせた第1世代の構造物を構成し、次にはその第1世代の構造物を新たなモジュールと見なして複数の第1世代の構造物を組み合わせて第2世代の構造物を作る。それらを順次繰り返して階層的に構造物システムを拡大構成していこうとするのが基本的な考え方であり、幾何学的対称性に基づいた系統的な手法を提示した。 さらに階層モジュラー構造物におけるモジュール間の相互作用を利用した制御のあり方を検討し、その有効性を数値計算によって示した。また階層モジュラー構造物の構築において、構造物の構造物システムと組立システムを分散化して、モジュール化した構造物と組立作業ロボットを統合したより柔軟な自動組立システムを提案した。個々のモジュールに単純な建造機能を持たせた多数の均質なモジュールからなる宇宙構造物の自動組立の概念について考察し、その特徴を明確にするとともに、基本的な課題である組立完了までのモジュールの移動手順計画(自己組立の動作計画)に関するアルゴリズムを提案した。また二次元の正六角形状のモジュールにより頂点を軸に回転移動しつつ初期に集積していた状態から目的形状を構成しようとする場合を例にしたシミュレーションによりその有効性を示した。将来の本格的な宇宙構造物システムを想定した階層モジュラー構造の自己組立が可能であることを明確にするため、ハードウェアモデルを製作し、基本的な動作実証をおこなった。
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Research Products
(8 results)