Research Abstract |
レーザフォーミングと購入した装置を利用して,「目的トーラス形状を得るための,板材初期曲率決定方法の有効性を,実証した.」すなわち,目的とする曲面(現在は目的曲面をトーラスとしている)を得るには,適正な初期曲率と正しい面内ひずみが必要である.そのためには,正しくひずみを加える技術の他に,適正な初期曲率を定める考え方が必要である.今回の実験的検証の範囲内では,与えた面内ひずみと最終形状の関係を,本研究で推奨する初期曲率で整理できることが示された. 次に,有限要素法を使用した「デジタル技術利用」では,以下の3項目について,検討した. (1)曲面成形に必要な面内ひずみ分布の再構成方法 幾何学的に求める面内ひずみは,伸びと縮みが存在しており,必ずしも,縮みのみで作られるぎょう鉄加工に適切なひずみ量とならない.このような場合には,板全体に均一な伸びまたは縮みを与えることにより,目的曲面を得る事が出来る縮みのみによる面内ひずみ分布を再構成できることを示した. (2)ぎょう鉄加工可能な板寸法の決定指針 曲面成形加工方法にぎょう鉄を用いる場合,無制限な大きさの面内ひずみを与えることは不可能である.そのため,一度に加工できる板材の大きさには限界が現れるはずである.この限界寸法は,曲面成形に要する面内ひずみの大きさにも依存する.本研究では,数値実験の範囲内で,加工可能な面内ひずみ量と目的曲面形状から,加工可能な板材寸法を簡便に決定する指針を示した. (3)展開図の詳細な輪郭線の決定指針 曲面成形に必要な面内ひずみの算出には,測地線を基準にしたひずみ測定を行っている.この場合,加工すべき板材の輪郭線と,ひずみ測定に要した測地線は必ずしも同一ではない.実際の加工作業では,板材の輪郭線が重要となる場合がある.このような状況を想定し,測地線で描いた展開面上に,輪郭線を精密に描く方法を提案した.
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