2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高速域におけるマイクロバブルによる摩擦抵抗低減に関する研究
Project/Area Number |
17360423
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
児玉 良明 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 部門長 (50373410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 公一 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40156592)
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Keywords | 流体工学 |
Research Abstract |
マイクロバブル(微小気泡)法による摩擦抵抗低減は、液相に気相(気泡)を注入するという簡便な手法であるため、抵抗低減の有効な手段と考えられているが、そのメカニズムは未だ十分解明されていない。特に、高速域(10m/s以上)では、実験データが少なく、研究が遅れている。本年度は、最大10.5m/sまでの速度域における抵抗低減効果の計測と、メカニズムを解明するために壁近傍の微視的な流れの構造を計測した。 抵抗低減効果の計測方法としては、小型回流水槽を用いて、流速5m/sから10.5m/sまでの範囲で、気泡吹き出し位置から0.5m,1.0m,1.5m位置での摩擦抵抗低減効果を計測した。流速が上がるにつれて低減効果は減少したが、その減少量は20%程度であり、高速域以上の速度でも抵抗低減効果が期待できることが分かった。 抵抗低減メカニズムを解明するためには、気液混相流場を計測する必要がある。このときPIV法を用いると、気泡により光路が遮断され流場計測ができないという難点がある。そこで光路を壁の近傍に制限するようにプリズムを設置し計測を行った。気相(気泡)の画像計測はLED光を光源とするShadowImage法を用いた。液相の画像計測には、YLFレーザ光を光源とするLIF法を用いた。このとき用いた高速度カメラと、これらのLED・YLF光源の照射時刻を同期させ、気液同時計測を実現させた。計測範囲は1034μm x 778μmで、この範囲を512 x 384ピクセルの分解能で撮影した。撮影には10kHzの高速度カメラを用いて、時間分解能を確保した。 計測の結果、壁面から250μm以内では単相流とほぼ同じ流速であったが、250μmから500μmまでの範囲では単相流に比べて流速が遅くなる傾向を持つことが分かった。
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Research Products
(1 results)