2006 Fiscal Year Annual Research Report
超高速域におけるマイクロバブルによる摩擦抵抗低減に関する研究
Project/Area Number |
17360423
|
Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
児玉 良明 独立行政法人海上技術安全研究所, 液体部門, 部門長 (50373410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 公一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40156592)
|
Keywords | 液体工学 |
Research Abstract |
マイクロバブル(微小気泡)法による摩擦抵抗低減は、液相に気相(気泡)を注入するという簡便な手法であるため、抵抗低減の有効な手段と考えられているが、メカニズムの解明や、船舶において摩擦抵抗が重要となる高速域(10m/s超)での利用可能性については、実験データが少なく、研究が遅れている。本年度は、海技研が所有する400m試験水槽及び大型キャビテーション水槽を用いて、高速域において、平板に沿って気泡が流れる場合の摩擦抵抗低減効果について研究を実施した。 高速域における局所摩擦を計測するセンサとして、従来の計測データとの一貫性を重視し、従来から用いている市販のセンサを、高速まで計測するため大容量化したものを製作し、実験に用いた。 400m試験水槽では、幅1m長さ22mの平板を6m/s〜10m/sまでの速度範囲で曳引し、平板上の開口部から気泡を水中に注入した状態としない状態について、平板の抵抗、局所摩擦分布を計測した。平板には、平行部全体にわたり両側面に高さ5cmの端板を取り付け、船側からの気泡の流出を防いだ。その結果、端板を取り付けない従来の場合は、高速で気泡による抵抗低減効果が大幅に低減していたのに対して、今回は、速度10m/sにおいて、吹き出し空気量を多くすると、抵抗低減効果が非線形に増加し6m/sの状態と変わらなくなるという新しい知見が得られた。 キャビテーション水槽では、昨年度に製作した長さ2mの平板を用いてバブル実験を、当初は20m/sの流速まで実施する予定であったが、キャビテーションの発生などを考慮して、6m/sから最高13.5m/sまで実施し、局所摩擦を計測した。その結果、バブルによる局所摩擦の低減効果は、流速が大きくなるに従って低減した。また、来年度に実施する実験の準備として局面板を製作した。 数値シミュレーション手法の研究においては、2相流モデルと混相流用に改良されたK-εモデルを導入した3次元高レイノルズ数気泡流シミュレータを開発し、並列化を行った。
|
Research Products
(4 results)