2005 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマ閉じ込めにおける分岐現象理論の実験的検証
Project/Area Number |
17360439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北島 純男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30161475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹尾 真実子 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00144171)
橋爪 秀利 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80198663)
高山 正和 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (20236368)
稲垣 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60300729)
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Keywords | plasma / stellarator / heliac / H-mode / radial electric field / viscosity / neo-classical theory / electrode biasing |
Research Abstract |
東北大ヘリアック装置において、本補助金により電子注入により閉じ込め改善モードに遷移させることに成功した。熱陰極バイアスにより負の径方向電場および電場シアーが形成され、エネルギー閉じ込め時間の増加、線電子密度の増加、電子密度分布の急峻化、密度、温度揺動の抑制、不純物流入の低減等を観測しており、H-modeの要件を満たすプラズマ形成に成功している。また、電極の電流電圧特性曲線上に現れる負性抵抗や、L-H、H-Lの遷移の違いにより現れる蓄積エネルギー上のhysteresisなど遷移現象に伴ったbifurcation現象も観測されている。 LaB_6製熱陰極の電極電源として定電流電源を用いると、注入電子電流量を外部から制御することができ、ポロイダル回転のJxB駆動力を積極的に外部から制御することができる。定常状態では、この駆動力はイオン粘性力(中性粒子との摩擦を含む)とバランスすることになる。この特性を利用して、ポロイダル回転の駆動力から実験的にイオン粘性を求めることを試みた。実験より得られたイオン粘性と新古典輸送理論による理論値と比較すると、定性的に非常に良く一致した結果が得られた。また、イオン粘性の極大値付近ではプラズマは負性抵抗の性質を示すこともわかった。従って、K.C.Shaingの理論で予言しているように、ポロイダルマッハ数に対してイオン粘性が極大値を持っていることがH-mode遷移の鍵になっていると考えられる。冷電極を用いた他の装置での過去の報告例では、遷移前と遷移後の2通りの状態でのプラズマパラメータの情報を手に入れ、径方向電場分布の理論値との比較等に成功しているが、本論文のように連続的にポロイダル回転の駆動力を制御し、ポロイダルマッハ数を変数としてイオン粘性を連続的に求め、イオン粘性の理論値と直接比較した研究報告例はない。
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Research Products
(2 results)