2006 Fiscal Year Annual Research Report
親水性吸着剤を充填した蒸留塔によるトリチウム水濃縮分離の高効率化の研究
Project/Area Number |
17360443
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深田 智 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授 (50117230)
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Keywords | トリチウム水 / 蒸留塔 / 同位体分離 / 濃縮 / 吸着剤 / HETP / ITER |
Research Abstract |
将来の定常運転核融合炉において、熱出力1GWあたりに発生する1.8MCi/dayのトリチウムをブランケットからすべて回収するとともに、配管壁を通しての透過性の高いトリチウムを現在の目標の10Ci/day以下に抑制することが核融合炉の安全性の観点から求められている。たとえトリチウムがガス分子状で核融合炉内に存在していても環境に漏洩すると容易に水と同位体交換するので、核融合炉を運転する際には大量のトリチウム水の処理が必要となる。水-水素同位体交換法は分離係数も高く重水炉の重水精製に用いられた経験もあり、有力であるが大量の白金触媒を使用するので、高濃度のトリチウム分離あるいは処理量の比較的少ないところで使用するのが適切と考えられている。水蒸留法は100℃付近でのH_2OとHTOの蒸気圧比の違いを利用する方法であり、触媒の必要もなく、適当な熱源があれば経済的で有力となる。問題は同位体分離係数が1.03程度と小さく、99%の回収率を得るためには蒸留塔の高さを非常に高くする必要がある。そこで本研究では、適当な吸着剤の吸着作用を利用して、同位体分離係数を増加させ、さらに同位体交換速度の上昇によりHETPの減少により同位体分離装置の小型化をはかり高い分離効率を達成しようとすることを目的としている。初年度は充填材にシリカゲルを充填し同位体分離係数を1.04-1.05程度に増加させることができた。本年はモレキュラーシーブ13Xの吸着剤を使用し、同様の同位体分離実験を行なったところ、結果は、低蒸気流量領域で格段の同位体分離濃縮特性を得ることができた。しかし低蒸気流量であるため、処理率はそれほど高くすることはできなかった。現在、処理量を下げずに同位体濃縮効率を上げる方策について検討中で、平成19年度に実験計画を実行する予定である。現在迄の結果の一部はJournal of Nuclear Science等に投稿した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Reaction rate of beryllium with fluorine ion for Flibe redox control2007
Author(s)
S.Fukada, M.F.Simpson, R.A.Anderl, J.P.Simpson, K.Katayama, G.R.Smolik, Y.Oya, T.Terai, K.Okuno, Y.Hatano, D.A.Petti, S.Tanaka, D.K.Sze, A.Sagara
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Journal Title
Journal of Nuclear Materials (in press)
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[Book] 水素-将来のエネルギーを目指して-2006
Author(s)
西川正史, 渡辺幸信, 一政祐輔, 沼田守, 藤原裕史, 深田智, 吉武優, 森光信介, 森芳孝, 山本直嗣, 河合良信, 並木章, 田辺哲朗, 図子秀樹
Total Pages
310
Publisher
養賢堂