2005 Fiscal Year Annual Research Report
省資源・高経済性炉心用カドリニア分散型ウラン酸化物燃料の熱・機械特性測定
Project/Area Number |
17360458
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 恒雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90135319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 正雅 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40273289)
有田 裕二 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (50262879)
岩崎 航太 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90359753)
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Keywords | 省資源炉心 / 高経済性炉心 / ガドリニア炉料 / 分散型ウラン酸化物 / 熱・機械特性 |
Research Abstract |
Gd_2O_3を10wt%置換固溶させたUO_2試料(固溶型)、及びGd_2O_3を10wt%分散させたUO_2試料(分散型)をそれぞれ作成した。固溶型では(U,Gd)O_<2-δ>の単一相が、分散型ではUO_2とGd_2O_3の混合体が得られたことを粉末X線回折データにより確認した。得られた試料のSEM観察により、分散型に用いたGd_2O_3の粒径は25-53μmであり、均一ではないもののGd_2O_3粒子がUO_2試料中に幅広く分散している様子がわかった。また、いずれの試料も理論密度比95%の高密度焼結体であった。 固溶型及び分散型試料の熱伝導率はUO_2及びGd_2O_3単体の熱伝導率よりも小さな値を示した。Gd_2O_3を添加したUO_2試料とUO_2単体の熱伝導率の差は低温域ほど顕著であり、温度の増加に伴い各試料の熱伝導率の差は小さくなる傾向を示した。固溶型と分散型の熱伝導率を比較した場合では、特に低温域で分散型の熱伝導率が固溶型よりも大きな値を示した。この結果は同量のGd_2O_3を添加した場合でも添加物の存在状態により熱伝導率が大きく異なることを示しており、従来のUO_2-Gd_2O_3系固溶型酸化物燃料と比較してより高い熱伝導率を有する、つまりは高効率な酸化物燃料の開発に繋がるものと期待される。今後、固溶型及び分散型の試料における熱拡散率の違いについて詳細に検討を進める。 Gd_2O_3分散型UO_2中には、UO_2よりも融点の低いGd_2O_3が存在するため、過度時・事故時の高温時の形態安定性(健全性)評価が重要である。今後、高温安定性評価の実験装置の設計・組み立てを行う予定である。
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